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ファン御用達のコマースサイトが必要だった「ヒット率+α」

ネットでも理想の1台を!Spookが実現したマップカメラの「こだわり検索」

2015年03月02日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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カメラファン御用達のコマースサイト「マップカメラ」を手がけるシュッピンは、プロでも、初心者でも、欲しい商品に容易にたどり着く検索を実現すべく、サイトの検索システムをフォルシアの「Spook(スプーク)」を使って刷新した。

専門性ならではの目利きと提案力が売り

 シュッピンはカメラ、時計、筆記具、ロードバイクなどの専門店を手がける小売り事業者で、このうちカメラを手がけているのが今回取材したマップカメラの営業部になる。リアル店舗からスタートしたマップカメラだが、1990年代後半からホームページを拡張する形でネット販売をスタート。当初はネットでオーダーを受け、店舗にある在庫から発送している状態だったが、その後ネット販売の規模の拡大と共にネット販売の事業部が独立。「Eコマースにおける中古品取引ナンバー1」を目指し、カメラやレンズ、周辺機器の販売を手がけている。

「Eコマースにおける中古品取引ナンバー1」を目指すマップカメラ

 マップカメラの売りは「リバリュー」と呼ばれる希少性の高い中古品の買取を行なっている点。シュッピン 営業本部 MapCamera営業部 副部長の高野健氏は、「専門店としての誇りもありますので、一律いくらという買取ではなく、やはり価値の高いものに関しては提示できるめいっぱいの金額を出させていただきます」と語る。強みは専門店ならではの目利き。「多くの方は自分のカメラがきちんとした値段がつくことすらご存じないので、近所のリサイクルショップに持って行ってしまいます。でも、故障や不具合がない商品であれば、意外といい値段がつくんです」(高野氏)とのこと。

シュッピン 営業本部 MapCamera営業部 副部長の高野健氏

 専門店での買取というと「買いたたかれてしまうのではないか?」と不安になる人も多いかもしれないが、マップカメラでは完動品であればランクをつけずに一律の価格で買い取る「ワンプライス買取」を実施している。買取方法も、直接買取センターに持ち込むという方法のほか、発送買取という形も可能。「発送買取を使えば、平日に手持ちの中古品を送り、新品に買い直してもらい、週末には撮影でお使いいただけます」(高野氏)とのことで、カメラは1日も手放したくないというマニアの気持ちをきちんと理解している。

検索精度の向上に「+α」を求めた理由

 このように高い専門性と充実した買取制度を持つマップカメラだが、昨今はネット販売に大きく軸足を移している。買取を拡充することで、マップカメラの品揃えを充実させ、専門店としての競争力を維持するのが大きな狙いだ。シュッピン情報システム部 副部長の佐川学史氏は、「最近は円安の影響もあって、外国人観光者も店舗に来てくださるのですが、それでも売上の半分以上がネット販売になっています」とのこと。

シュッピン情報システム部 副部長の佐川学史氏

 ここで鍵になってくるのが、マップカメラでの検索精度の課題だ。前述した充実した買取制度のおかげで、マップカメラでは市場に出回っていない半世紀前のレンズなども手に入る。特にマニアに人気のライカは専門店まで設ける品揃えを誇っている。しかし、こうした多種多彩な品揃えの中、単純に型番検索を用意するだけでは、満たせないニーズがあるという。プロやハイアマチュアであれば型番で調べることができるが、初心者が一眼レフを買うような場合は、スペックや型番だけではない商品の探し方が必要になるのだ。

 たとえば、レンズの場合、ユーザーが入力したスペースの位置が違うとか、型番で焦点距離が違うがために、検索にヒットしないケースがある。「特設店を設けているライカも、ズミクロンとか、ズマロンとか、ホロゴンとか、怪獣みたいな商品名ばかり(笑)。記憶違いで濁点を入れ忘れると、検索にヒットしないので、これはなんとかしたいと思いました」(高野氏)。

マップカメラのリアル店舗にあるライカのショップ

 検索精度を向上させる背景としては、カメラ初心者を呼び込みたいという意図もある。マップカメラのリアル店舗は、日本を代表する家電量販店がひしめく新宿駅西口にある。こうした中、マップカメラは専門店ならではの知識とノウハウを売りに、ユーザーが本当に求める1台を提案できるという強みがある。しかし、専門店であるが故に、敷居の高さがあるのも事実。こうした敷居の高さを感じる潜在ユーザーに、リアル店舗と同じような体験を与えて行けるコマースサイトを実現したいというのが、高野氏の思いだ。リアル店舗であれば、納得するまでお客様の話を聞くことができるが、インターネットで実現するには検索やリコメンデーションの精度を上げるしかない。

 高野氏は、「動き回る子供を撮りたいけど、なにかいいカメラありますか?というお客様が店舗にいらっしゃいます。この場合、店であれば、動く対象にピントを合わせ続ける動体予測とか、瞬時にオートフォーカスがあうカメラとか、連写した中から選ぶとか、いくつか提案があって、そこで最適なカメラが決まってきます。でも、こういうことをネットでやるにはどうすればいいのかというアイデアがなかったんです」と語る。ユーザーが撮りたいものを撮れるカメラを、コマースサイト上でどのように提案するかが大きな課題だったわけだ。

(次ページ、検索ヒットなしでも気づきを与えられる「Spook」)


 

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