現在利用可能なインターフェースを
コマンドから確認する
つづいて、現在利用可能なinterface名を調べるには、「show interface」コマンドを利用する。サブコマンドはヘルプ上は「interfaces」になっているが、「interface」でもエラーにはならない。MBNデバイスは複数接続可能で、実際、VAIO Duo 13のようなMBNデバイスを内蔵した機器であっても、USBのLTEアダプタなどを追加可能だ。
このような可能性があるため、多くのmbnコマンドでは、インターフェース(MBNデバイス)を特定できるようになっている。逆に、インターフェースが1つしかなくても、インターフェース名をパラメーターとして指定するよう要求される。
次に多く使うのは「プロファイル」だ。プロファイルは、MBNの接続に関する情報などをまとめたもので、前回解説したAPN関連の情報などが含まれている。なお、前回解説したようにMBNのプロファイルは、
C:\ProgramData\Microsoft\WwanSvc\Profiles
に記録されている。
プロファイルの概要を表示させるには、「show profle」コマンドを使う。パラメーター無しまたは、interfaceパラメーターだけを指定すると、登録されているプロファイルの一覧を表示する。
さらにnameパラメーターを指定すれば、プロファイルの詳細が表示される。
なお、プロファイルの追加がaddコマンドで、削除がdeleteコマンドで行えるようになっている。削除は管理者権限で
delete profle interface=<インターフェース名> name=プロファイル名
とすれば行なうことができ、前記のフォルダーにあるxmlファイルが削除される。しかし、addは、追加のためのxmlファイルの仕様がはっきりしない。前記のフォルダにあるXMLファイルは、プロファイルなのだが、一部の項目が暗号化されており、まったく同じ内容のファイルをaddコマンドで指定してもエラーとなり、プロファイルとしては登録することはできない。しかし、作り直すのは、設定チャームのネットワークからAPNなどを手動で設定するだけでいいので、特に問題はないだろう。
このほかに有用な情報を表示するshowコマンドのサブコマンドには、
capability
readyinfo
smsconfigda
signal
などがある。このうち、signalサブコマンドでは、電波強さを表示できるが、ここにRSSIとRSCPという表記がある。これはそれぞれ、Received Signal Strength Indicationの略(Indicatorとする場合もある)、RSCPはReceived Signal Code Powerの略で、どちらも信号の強さを表すが、RSSIは単純な電波の強さで接続していなくても測定可能なのに対して、RSCPは通信中の信号の強さを表す。この項目は、未接続の状態ではRSSIで、接続中はRSCPの値という意味だと思われる。
駆け足だが、3回でモバイルブロードバンドネットワークについて解説してきた。以前に比べると、SIMフリー機器での通信も簡単にできるようになった。USB接続のLTE通信アダプタは、製品によっては、かなり安価に入手できるようになっており、以前のように事業者の接続アプリを使う必要もない。また、MBNデバイスを内蔵するWindowsタブレットなども登場しており、徐々に機器も増えていくのではないかと考えられる。
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