ポタフェス2014 第1回
PCMtoDSD再生にアプリで対応、Android用のサウンドドライバーも再生アプリ内に
Androidハイレゾ問題に終止符を打つ、オンキヨーの新ポタアン「HA300」
2014年12月20日 18時08分更新
オンキヨーは12月20日、DSD5.6MHzのネイティブ再生に対応したヘッドフォンアンプ「HA300」を発表した。価格は未定。2015年春の発売を目指している。
ティアックとの共同開発で生まれた製品で「HA-P90SD」(実売7万2000円前後)とは兄弟機、DAC-HA200の後継製品という位置づけ。microSDカードに保存したデータを再生するポータブルプレーヤー的な使い方に加え、PCやポータブル機器と接続するDAC内蔵ヘッドフォンアンプとしても使える。
DSD対応など、HA200と比べて対応可能なフォーマットが大きく増えている。HA-P90SDとは、バーブラウンのPCM1795を採用する点や外観など共通点が多いが、アンプ構成は異なっており、前段ディスクリート構成、後段にMUSES製のオペアンプを使用している。音作りに関しても違いが出てきそうだ。
オンキヨー製アプリ「HF Player」が大幅機能強化
二つの世界初を実現!
大きな特徴はソフト面にある。オンキヨーはスマホ用のアプリ「HF Player」を1月中旬にアップデートする予定で、ここに2つの世界初を盛り込むという。
まずアップデートではiOS版が2.0にあがり、iOS8に正式対応。さらにAndroid版に関しても従来のトライアル版から正式版となる。
PCMファイルをリアルタイムでDSDに変換して再生する機能がサポートされており、PCではなくスマートフォンで対応するのは世界初だという。DSD変換時にはサンプリング周波数のほかに高精度と通常の2種類が選べる。高精度ではΔΣ変調の計算量を上げることでS/N比をあげることが可能。
組み込みのチップに頼らず、クアッドコアプロセッサーなど高性能なCPUを使えるスマートフォンだからできる特徴である。ただし相応のパワーが要るため、iOS版では64bitCPU機のみ、Android版ではクアッドコア2GHz以上が対象となる。
もうひとつの世界初はAndroid機から外部DACへのハイレゾ出力が可能になった点。Androidスマートフォンでハイレゾ出力できる製品は今のところ限定されており、ハードメーカーの自助努力次第という面がある。オンキヨーでは今回Android用のハイレゾ対応ドライバーをアプリの中に盛り込み、Android 4.1以上の機種で、スマートフォンとUSB DACを使ったハイレゾ再生ができるようにした。
このほか1万6000タップに対応した高品質なEQ機能など、特徴ある機能をもっている。HP Playerは無料で利用できるアプリだが、これらハイレゾ関連の機能を利用するためにはアプリ内課金が必要。ただし、HA300と一緒に使うユーザーは追加料金不要となる。
パソコン版のHF Playerも開発、音はDACチップだけでなくパソコンと作る時代に!
また、HF PlayerのPC版、Mac版が開発中である点も発表された。オンキヨーでは、高級DACの世界でFPGAを使った手法がとられていることを紹介。演算処理の一部を1チップのDACに依存するだけでなく、CPUに分担すれば、より複雑な計算が可能になり、発売後も音作りを改善し続けられるとする。ハードメーカーはDACメーカーが用意した以外の選択肢を手に入れられるわけだ。
<ハード面では接続可能な機器の豊富さも特徴。microSDカードの接続に加え、上部には1つでアナログ、光・同軸デジタル入力、同軸デジタル出力に対応できる3.5mm端子を装備。さらにデータ転送用のUSB端子も用意する。USB端子は設定で電力供給を受けないようにも設定できる。再生時にスマホ側のバッテリーが消費され、再生が続けられなくならないようにするためだ。
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