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ポタフェス2014 第5回

小型でも良音、PMA-50でデノンが使った最新技術DDFA

2014年12月21日 20時56分更新

文● きゅう/ASCII.jp編集部

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会場では内蔵するデジタルアンプの秘密など、トークショー形式でPMA-50の魅力が紹介された。

小さいけど本格派なデノンのプリメインアンプ

 デノンは12月20日、ポタフェス2014の会場で12月10日発表の新製品「PMA-50」を一般公開した。2014年2月のUSB DAC「DA-300USB」、10月のポータブルアンプ「DA-10」に続く、ハイレゾ対応製品。デスク上におけるサイズのDAC内蔵プリメインアンプとなる。価格は7万3440円。1月中旬の発売を予定している。

PMA-50

縦置きしたところ

背面端子。スピーカーターミナルはバナナプラグ対応。

 オーディオに詳しい読者なら知っているとおり、PMAはデノンの単品プリメインアンプに使われる型番。最上位には価格62万6400円の「PMA-SX1」が君臨するが、その末弟として、しかし名前に見合った品質を持って投入されるのが「PMA-50」となる。

 本体は縦置き、横置きの両方に対応。PMA-50は幅200×奥行き258×高さ86mm、重量2.5kgと単品コンポとしてはかなり小型の製品となるが、単品スピーカー駆動にも余裕のある50W+50W(4Ω)の出力を確保。本格的なHi-Fiアンプとしての音質を追求しているという。

 対応するフォーマットはPCMが192kHz/24bit、DSDが5.6MHzまで。USB、光デジタル×2、同軸デジタル、アナログ入力端子を持つ。ヘッドフォンアンプとしても、プリメインアンプとしても利用できる。デノン独自のビット拡張技術「Advanced AL32 Processing」にも対応する。

 Bluetooth経由での再生にも対応し、SBCだけでなく対応機器であればAptX Low LatencyやAACなど高音質コーデックの利用が可能。Bluetooth接続時でもAdvanced AL32 Processingを経由するため、スマホの再生でも高音質が見込めるという。

インシュレーターは取り外し可能

リモコンも付属する。

NFCでスマホを簡単にペアリングできる。

 小型筐体でも高音質を実現するために、デノンが採用したのがイギリスの半導体メーカーCSR plc社が開発したデジタルアンプ。「DDFA」と呼ばれる同社独自の技術を採用している。

 CSRはBletooth経由の再生を高音質化するApt-Xコーデックを開発した企業で、無線関連チップの開発で知られている。特にBluetooth関連製品では約7割の機器が同社のチップを採用すると言われるほど、高いシェアを持つ。また、デジタルアンプの設計にも長く取り組んでおり、NADなど海外ブランドの機器への搭載で高い評価を得ている。デノンはこのDDFA採用チップを国内で初めて採用するメーカーとなる。

 DDFA(Direct Digital Feedback Amplifire)とは、その名が示すとおり、フィードバック処理を利用して、デジタルアンプの特性を改善する技術となる。ひずみ率(THD+N)は0.004%以下、残留ノイズは60uV以下となっており、一般的なデジタルアンプひずみ率が0.1%程度であることを考えるとかなり低く、半導体アナログアンプに匹敵する数値だという。

 DDFAではデジタル入力型のデジタルアンプで、PCMの信号を108MHzで動作するプロセッサーで35bit精度にリサンプルし、PWMと呼ばれる844kHzのパルス信号に変換する。一般的なデジタルアンプでは、これをMOS-FETでスイッチング駆動しローパスフィルターを通してスピーカーに信号を伝えるが、これだけでは得られる特性に限界がある。そこでFETやローパスフィルターが出力した信号を再度AD変換して、その情報を戻し、最適な出力になるよう信号処理を調整しながら、特性を高めていく手法を取っている。

ヘッドフォン出力の構成はDA-300USBを踏襲しているが、ゲイン調整が可能となった

 一方ヘッドフォンアンプ部分の基本的な構成は、DA-300USBを踏襲している。ただし、ハイインピーダンスのヘッドフォン向けに、ゲイン切り替えを追加した。前段のオペアンプを利用して増幅し、後段にディスクリートのバッファーを置く点は同様。ただしデノンの説明では、音質面では常にブラッシュアップを続けているため、音質には若干の違いが出るようだ。DA-300USBより電源部分が強化されていることもあり、余裕を感じさせる。

 オーディオメーカーならではのこだわりとしては、縦置きでも横置きでもインシュレーターを使用できる点がある。またデノン・マランツブランドの製品ではおなじみのデジタルアイソレーターも搭載。ノイズの多いPCからの信号をクリーンに保つ仕組みを取り入れている。

1月中旬発売予定のAH-MM400は木製イヤーカップの折りたたみ対応ヘッドフォン

同じく1月中旬発売のAH-MM200はMusicManiacシリーズ最小最軽量をうたう

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