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最大100倍の高速化 - パナ、水中汚染物質を無毒化する「光触媒水浄化システム」

2014年12月12日 11時00分更新

文● 大河原克行

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光触媒水浄化システムの内部の様子。光反応槽の部分は太陽光に置き換えることもできる

 パナソニックは、水中の汚染物質を最大100倍の速度で無毒化する「光触媒水浄化システム」を初めて一般公開した。

 12月11日から、東京・有明の東京ビッグサイトで開催されている「エコプロダクツ 2014」のパナソニックブースにおいて、光触媒水浄化システムの技術展示を行うとともに、技術者によるセミナーを開催。先進性とともに、新興国への展開などを通じて社会貢献できる技術であることを訴えた。

エコプロダクツ2014のパナソニックブースに展示された光触媒水浄化システム

 パナソニックが開発した「光触媒水浄化システム」は、2010年から開発に着手。2013年10月からは、インドのジャダプール大学との産学連携プロジェクトを通じて実証実験を行っている。

 新構造の光触媒粒子を水中に分散。従来の固定型光触媒に比べて、最大100倍の反応速度で、地下水などに含まれるヒ素や六価クロムなどの有害金属や、難分解性有機物を無毒化できるという。

光触媒の仕組み水処理装置のフロー図
光触媒で処理できる物質来の固定型光触媒に比べて、最大100倍の反応速度で無毒化できる

 「実験では、固定型では40分で約80%を無毒化できたが、流動型では10分以内で無毒化が終わる」(パナソニック 先端研究本部デバイス研究室スマートウォーター研究部光化学デバイス研究課・猪野大輔氏)という。

パナソニック 先端研究本部デバイス研究室スマートウォーター研究部光化学デバイス研究課・猪野大輔氏

 さらに、従来の光触媒粒子では困難であった、処理水中からの使用済み光触媒の回収と、再利用が容易になる点も大きな特徴だ。光触媒と太陽光に含まれる紫外線のみで水を浄化するため、太陽光を利用した小規模の独立型水浄化装置を実現でき、トラックの荷台に積んで移動させるといった使い方も想定しているという。また、塩素や薬剤などを利用する方法と比較し環境負荷を低減。新興国などにおいて、安全で低コストな飲料水が提供できる。

 「従来のRO膜ろ過技術では、10トンの水を入れると、5トンの水がきれいになるが、5トンの濃縮された汚水が出ることになる。この汚水は下水に流すことはできず、地下貯蔵しなくてはならないといった課題があった。だが、光触媒技術は、化学処理を行うために、排水がでず、100%きれいな水にできる。地下水などに含まれ除去が難しかった有害金属などを最大99.99%無毒化できるため、従来困難であった地下水源を新たな飲料水源として活用できる」とした。

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