Facebook広告予算の決め方
Facebookはクリック課金とインプレッション課金を選択し、1日もしくは一定期間の予算を設定します。詳しくは広告セットの予算の設定を確認してください。
たとえば、新規ユーザーのインストールが目的の広告を配信する場合は、CPIの目標値を決め、予算を設定していきます。予算があれば一気に配信してもよいですが、1日1万円、予算7万円で1週間だけ配信といった具合に少額でもテストできます。
具体的な出稿予算は、ユーザーのLTVから目標CPIを換算していきます。たとえば、
- 1人あたり1か月の収益が20円
- アプリの継続は1年
とすると、1ユーザーあたりのLTVは240円になります。仮にCPIの目標を200円として計算します。
- 1日の予算:1万円
- CPI:200円
- 獲得インストール数:1万円÷200円 = 50件
- 仮のインストール率:10%
- 必要クリック数:500クリック
- CPC:1万円÷500クリック = 20円
設定するCPCを20円とします。Facebook広告は設定した1日の予算に到達すると広告配信が停止します。CPCは実際に出稿して目標の「CPI:200円」になるように調整していきます。
エキサイトで実施したFacebookモバイルアプリ広告
最後に、エキサイトで実施したFacebook広告のキャンペーン事例を紹介しましょう。エキサイトアプリで注力している「ニュース」アプリのインストール数を拡大する目的で、Facebook モバイルアプリインストール広告を実施しました。
目標CPIを200円に設定し、12個のキャンペーンを実行してより効率のいい広告に絞り込みます。
セグメント
エキサイトニュースアプリの既存ユーザーは、男女比が7:3、年代は20代後半〜40代前半が中心です。そこで、Facebookでも20代〜40代でiOS5以上のユーザーを対象に、12個のセグメントを作成、セグメントごとキャンペーンを作成しました。
# | 年代 | 性別 | デバイス | 想定リーチ数 |
---|---|---|---|---|
1 | 20代 | 男性 | iPhone 5 | 960,000 |
2 | 20代 | 男性 | iPad 3 | 58,000 |
3 | 30代 | 男性 | iPhone 5 | 900,000 |
4 | 30代 | 男性 | iPad 3 | 86,000 |
5 | 40代 | 男性 | iPhone 5 | 480,000 |
6 | 40代 | 男性 | iPad 3 | 72,000 |
7 | 20代 | 女性 | iPhone 5 | 1,040,000 |
8 | 20代 | 女性 | iPad 3 | 32,000 |
9 | 30代 | 女性 | iPhone 5 | 820,000 |
10 | 30代 | 女性 | iPad 3 | 40,000 |
11 | 40代 | 女性 | iPhone 5 | 340,000 |
12 | 40代 | 女性 | iPad 3 | 26,000 |
Facebookユーザーでも同じような結果になるのか、既存ユーザーとは異なる層の新規ユーザーを獲得できそうな仮説を設定し、結果を検証することにしました。
キャンペーンの結果です。
ピンク枠で囲ったキャンペーンでCPI単価200円に近い結果が得られましたが、目標のCPI単価である200円を下回ったキャンペーンはありませんでした。そこで、それぞれのキャンペーンの改善案を設定しました。
Cam No. | 結果 | 改善 |
---|---|---|
1 | impsは高いが、インストールまで到達しない | クリエイティブを変えてみて、再訴求(変化があるか検証) |
2 | impsが低く、インストールもない | この層へのアプローチは削る |
3 | impsは高いが、インストールまで到達しない | No.1同様、クリエイティブを改善する |
4~6 |
|
|
7 | impsは高いが、インストールはそこそこ | クリエイティブを改善する(女性訴求) |
8~11 | インストール到達が低い | クリエイティブを改善する(女性訴求) |
12 | インストールはそこそこ | クリエイティブを改善する(女性訴求) |
No.2の20代男性iPad3ユーザーは広告を停止し、それ以外についてはクリエイティブのA/Bテストを実施して、効果を見極めます。その結果を基に、「実際にリーチすると効果があるかもしれない」「新規ユーザー獲得できるかもしれない」層を決め、さらにその中でも年齢を1歳刻みにしたり、趣味趣向等を組み合わせて細かくセグメントしたり、キャンペーンを細分化していきます。
たとえば、No.4〜6の「30~40代男性」には、エンタメ系をターゲットにしたり、モバイルデバイスを利用しているユーザーをターゲットにしたりし、より細かく効率的なユーザーにリーチできるようにしていきます。
ここまでは一般的なアプリインストール施策になりますが、Facebook広告から流入してきたユーザーの行動を分析して、Facebook広告以外のユーザーの行動と見比べていくことも大切です。Facebook広告で、他ネットワーク広告よりも効率的にユーザーを獲得できるか、ユーザーの行動を活発化できるか、LTVを高められるか、検証できれば、広告予算の配分を効率化できます。
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次回は、アップルの「iAd」プロモーションについて紹介していきます。