「Cloud First」を推し進め、
「The Most Complete Cloud」へ
マイクロソフトが新たなキーワードとして「The Most Complete Cloud」という言葉を使い始めた。
これは、2014年10月20日に米サンフランシスコで開催されたMicrosoft Cloud Briefingにおいて、米マイクロソフトのサティア・ナデラCEOが使い始めた言葉であり、日本では、11月13日に都内で行なわれたクラウド事業の強化に関する記者会見において日本マイクロソフトの樋口泰行社長が初めて使った。
The Most Complete Cloudは、その言葉の通り、業界において、マイクロソフトが最も完成したクラウドを提供するという意味を持つ。
これまでは、「Cloud First」という言葉を使っていたナデラCEOだが、その取り組みを一歩推し進めた形で訴求した言葉になるといえよう。
日本マイクロソフトの樋口泰行社長は、「マイクロソフトが掲げるクラウドOSビジョンに基づいて、プライベートクラウド、パブリッククラウドのほか、パートナークラウドやオンプレミスと連携したハイブリッドクラウドなど、エンド・トゥ・エンドでのクラウドサービスを提供できることが『Complete Cloud』のひとつといえる。
また、SaaS、PaaS、IaaSの3つのサービスをすべて提供できること、そして、これまでのエンタープライズビジネスで培ったノウハウをもとに、営業体制およびサポート体制の強み、強固なセキュリティ環境の実現を含めたエンタープライズグレードのクラウドサービスを提供できることが、The Most Complete Cloudの意味するところだ」と説明する。
そして、日本マイクロソフトにおいても、The Most Complete Cloudの取り組みが加速していると語る。
「今年2月に、プラットフォームサービスであるMicrosoft Azureの国内データセンターを稼働させていたが、Office 365については2014年内に、Dynamics CRM Onlineについては2015年第1四半期までにそれぞれ国内データセンターを稼働させる。Microsoft Azure、Office 365、Dynamics CRM Onlineという3つの主要クラウドサービスにおいて、国内データセンターを活用したサービスを提供するという点でも、コンプリートが実現する」と語る。
マイクロソフトが、Office 365およびDynamics CRM Onlineのデータセンターをローカルで設置するのは、世界的に見ても今回が初めてだという。
さらに、今回設置を発表したOffice 365およびDynamics CRM Onlineのデータセンターは、Microsoft Azureのデータセンターと同様に、東日本および西日本の2カ所のデータセンターからサービスを提供。国内だけでディザスタリカバリ(災害対策)に対応できる環境を整えることになる。
「これも“コンプリート”の考え方につながるものになる」と樋口社長は説明する。
国内だけでディザスタリカバリに対応できる環境を整えた点も特徴的だ |
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