「Tokyo MotionControl Network Vol.09 with Windows女子部」レポート
Kinect活用のゆきりんロボ降臨!最新の3D認識ビジネスを追う
2014年10月08日 11時00分更新
「ゆきりんのような彼女がほしい」が原動力
圧巻はKinectを活用して「ゆきりんロボ」を作ってしまった藤堂高行氏。「すべての原動力は、ゆきりんのような彼女がほしいということ。彼女を作るために必要なものは技術。恋愛ノウハウ本はいらなかった。最後には、石黒浩教授の「どうすれば『人』を創れるか」にたどり着いた。彼女が欲しければ自力でつくってしまえばいいと実際に作ってしまった」。
が、そのアンドロイドには決定的に欠けているものがあった。「恋をするとは、見つめ合うこと。目線が彼女であることの第一条件」なのに、既存の人型ロボットは、目線が合わなかった。本物の彼女は、首を動かしても目がこっちを向いてくれるはずで、眼球の動きが首の動きから独立していなければならなかった。そこで、首から独立した視線追尾ができるよう、ロボットの鎖骨下にKinectのカメラを埋め込み、顔認識のAPIを使って相手の視線を認識させ、ロボットの首がくねくね動いても視線は相手を向いているように調整した。ただ、ゆきりんの顔の中で、まぶたが追従していないのが怖いので、今後の課題だという。
藤堂氏は、ゆきりんロボの総制作期間は2年半かかり、制作費総額は数百万円かかったと教えてくれたが、すべて自腹で賄ったという。さらなるバージョンアップ版の制作も構想中だ。
以上、センシングデバイスに魅了され、開発にいそしむ人たちの姿を伝えた。定期的に開催されているので、気になる読者は参加してみるといいだろう。次回は、12月13日にデジタルハリウッドとのコラボレーションで教育をテーマに企画しているという。筆者は「おばかアプリ選手権」運営を担当してきているが、このセンシング分野から、スマートフォンアプリの枠を超えた、何かとてつもなく面白いものが生まれそうな予感が強くする。今後も読者のみなさんとともに追っていきたい。
筆者紹介:河内典子(こうちのりこ)
サラリーマンとして編集ライターを20年弱していたが、この秋からフリーランスに。アプリ制作者を応援するような記事が得意。子育てや子ども向けプログラミング教育にも興味がある。前職では「おばかアプリ選手権」の発起人として並々ならぬ情熱を注いできた。フリーランスでもできる面白いアプリ選手権イベントの運営をしたがっているので、コラボしてくださる企業さま、お気軽にご連絡ください。