スナップすると両方の音声が同時に……
唯一気になるというか、悩ましいところは、音声。テレビ放送など音の出るコンテンツをスナップした場合、基本的には両方の音声がミックスして出力される。
これは、BDソフトの再生なども同様。この仕様のため、ドルビー TrueHD音声などはビットストリーム出力ができず、Xbox One内部のミキサー機能で合成された音声をリニアPCM出力するか、ドルビーデジタル/DTSでリアルタイムに再エンコードして出力するしか選択できないのだろう。
実際にゲームで試してみたが、ゲームのサラウンド音声にテレビ音声がミックスして出力されるのは、少々シュールではあるが、案外それぞれの音を個別に聴き分けでき、ゲームプレイが阻害されるほどではなかった。
欲を言えば、ゲーム音声はスピーカーへ、テレビ音声はヘッドホン出力へ切り替えるなどの機能もあってもいいとは思う。もっとも、あくまでもゲームの合間のヒマつぶしという意味ではそこまでは必要ないかもしれないが……。
Xbox OneにPS4を接続してみる
HDMI入力は当然と言えば当然だが、PS4などのゲーム機のHDMI出力の接続も可能だ。つまり、2つのゲームを同時進行するといったプレイも可能になる。
さっそく、PS4の映像出力を接続し、ゲームプレイ画面をスナップしてみた。Xbox One側でのプレイはまったく支障なく楽しめるし、ミックス出力される音声も、案外聴き分けられる。
接続されたPS4は小画面表示となり、FPSなど画面に表示される情報の多いソフトだと細かい文字がほぼ読めない。相当慣れたゲームでないと快適なプレイは厳しいだろう。
その意味では、いわゆるPinP機能のように、画面を縦や横に2等分するなどの表示形式が選べてもいいように感じた(それならば薄型テレビのPinP機能を使えばいいという気もするが)。
現状の場合、アクションゲームやオンラインゲームをしつつ、スナップした画面ではシミュレーションゲームやアドベンチャーゲームなど、頻繁に操作する必要があまりないゲームを平行してプレイするというのが比較的有効な活用法に思える。
ただし、スナップ画面はすぐに全画面に切り替えられるので、肝心なシーンは全画面に切り替えてプレイを続けられる。2つのゲームの同時プレイをしたいという人がどれくらいいるかはわからないが、意外とこれがもっとも便利な使い方と言えるかも。
また、そもそもの話として、テレビ側のHDMI入力が足りず、2台のゲーム機を同時に接続できないという人もいるだろう。そんな場合も、Xbox OneにPS4を接続しておけば、1つのHDMI入力だけで2つのゲーム機の映像/音声出力をまかなえることにもなる。
電気代という点ではHDMIセレクターを使う方が安上がりだが、同時プレイが可能などの活用範囲を考えると、スナップ機能は便利かつなかなか楽しい使い方ができるものと思われる。
いずれにしてもHDMI入力はなかなか汎用性が高いので、さまざまな機器を組み合わせたり、いろいろな使い方ができそうだ。
ゲーム機としての実力も十分に高く
高性能ハードの実力を活かした新機能も魅力
Xbox Oneはさすがは最新機だけあって、普通にゲームをプレイしてみても、1080/60pでヌルヌルと動くし、グラフィックの能力もかなりのレベルだ。
そして、スナップ画面での各種操作もサクサクと動くので、ウェブサイトの閲覧も快適だし、2画面操作でゲームの動作が鈍るというようなこともない。このあたりは、マルチコアCPUの高性能がフルに活かされていると思う。
Xbox Oneは、ゲーム動画の配信やリアルタイムチャットなど新しいゲームのスタイルを採り入れた目新しさと、単なるゲーム機を超えてホームエンターテイメント全般を網羅するような楽しみが備わっていると感じた。
各機能については細かな要望もあるが、それらは今後のアップデートに期待できるし、今後はよりユニークなアプリの登場でゲーム自体がさらに盛り上がるような可能性も感じる。
ゲーム機としてのXbox OneとPS4の対決は興味深いところだが、オーディオ&ビジュアル寄りの立ち位置である筆者から見た場合、Xbox Oneの方が機能的にも充実しているし、面白ことができそうにも感じた。
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