シャープ、アメリカスマホ市場への挑戦
この端末はアメリカ・Sprint社でも発売され、価格は250ドル以下と発表されている。アメリカのユーザーの反響はどうなのだろうか。
「シャープは昔、アメリカ市場にも端末を投入していますが、スマートフォンじゃないですし、AQUOSブランドもテレビのほうが認知度は高いと思います。その中で存在感を出すにはやはりフレームレスというインパクトしかありません。おかげさまでフレームレスはアメリカの方たちにも評判が良くて、日本だけでなくアメリカでもAQUOS CRYSTALの感動を伝えられたようです」
予想以上の反響だったと、澤近氏は語る。あえてスペック競争ではなく、独自性に活路を見出したAQUOS CRYSTAL。ソフト面でもフレームレスを活かした機能を搭載した。通信システム事業部 A1284プロジェクトチーム 主事 清水寛幸氏が説明してくれた。
「まず、スクリーンショットをカンタンに撮れる“クリップナウ”という機能があります。スマホ上部のフチをなぞるだけでスクリーンショットが撮れて、さらに専用アプリで見るとウェブページの場合、そのURLも一緒に保存することができますので、画面メモから一歩進んだ使い方ができます。これまではボリュームキーと電源キーの同時押しでしたが、失敗も多かったり、素早く撮れなかったりという問題がありました。フレームレス構造のおかげでなぞってすぐにスクリーンショットが撮れるようになったのです。
また、サウンド面も音質にこだわりまして、“クラリファイ”と“ライブステージ”という2つの技術を取り入れるとともに、Harman/Kardonの技術も採用しています。クラリファイは音源をデジタル化(MP3など)する際に圧縮されてしまう部分を復元する技術で、かなり原曲に近い音質を再現できます。ライブステージはヘッドフォン使用が前提ですが、その名の通り音に広がりのあるライブ感を出す技術です。ソフトバンクさんはHarman/Kardonのスピーカーが付属するセットも販売しています。サウンド面をすぐに訴求できるいい方法だと思います」
スマホのスペックが頭打ちないま、あえてスペックではなくデザインと使い勝手のバランスを求める。シャープがAQUOS CRYSTALによって示したその方向性は、今後のスマホのあり方を占うものとなるだろう。
AQUOS CRYSTAL | AQUOS CRYSTAL X | |
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メーカー | シャープ | |
ディスプレー | 5型液晶 | 5.5型液晶 |
画面解像度 | 720×1280ドット | 1080×1920ドット |
サイズ | 約67×131×10mm | 約73×139×11mm(暫定値) |
重量 | 約140g | 測定中 |
CPU | Snapdragon 400 1.2GHz (MSM8926、クアッドコア) |
Snapdragon 801 2.3GHz (MSM8974AB、クアッドコア) |
内蔵メモリー(RAM) | 1.5GB | 2GB |
内蔵ストレージ(ROM) | 8GB | 16GB |
外部メモリー | microSDXC(最大128GB) | microSDXC |
OS | Android 4.4.2 | Android 4.4.4 |
ネットワーク | LTE(FD-LTE/AXGP)、3G、GSM | |
VoLTE | 対応予定 | |
無線LAN | IEEE802.11n(2.4GHz対応) | IEEE802.11ac(2.4/5GHz対応) |
カメラ画素数 | リア:約800万画素CMOS/イン:約120万画素CMOS | リア:約1310万画素CMOS/イン:約120万画素CMOS |
FeliCa | × | ○(+NFC) |
ワンセグ | × | ○ |
フルセグ | × | × |
防水 | × | × |
バッテリー | 2040mAh | 2610mAh |
連続待受時間(3G/LTE) | 約620時間/約530時間 | |
連続通話時間(3G) | 約800分 | |
カラバリ | ホワイト、ブラック、ピンク、ブルー | レッド、ブラック、ホワイト |
発売時期 | 発売中 | 12月以降 |