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2限目:「魔法」でわかるWebコピーライティングの種類と条件

2014年09月05日 11時00分更新

森田哲生/Rockaku

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イラスト:寺井麻美

Webコピー=「ボタンのような言葉」

 そもそも、「コピー」ってなんでしょうか? 広告表現全般の話をすると、諸先輩方からいろいろ言われそうで怖いところですし、実際、その定義はとてつもなく広がっていくので、とりあえず、「Webにおけるコピー」という範囲に限定して簡単に説明してから、今回の授業を始めたいと思います。

 「Webにおけるコピー」は、サイトの機能を担う装置のひとつです。ボタンをクリックすることでページが切り替わったり、詳しいページに飛べたり、あるいはインタラクティブな映像が動き出したりするように、読むことでユーザーに何らかの影響を与え、行動を促すという「目的」と「機能」を持った「ボタンのような言葉」。それが僕の考える「Webにおけるコピー」です。

 とはいえ、「Webサイトにおけるコピー」と一口に言っても、トップページから企業情報、キャンペーンに商品紹介、交通アクセスに更新記事まで、実に多種多様なページがあり、ページごとに求められるコピーの「目的」や「機能」は異なります。この点は、「Webコピーライティング」を学ぶうえで非常に重要なポイントなのですが、同時に、多くの「書かなきゃならない人」を悩ませる課題にもなっています。

Webコピーの書き分けを決める「4大属性」

 「ページごとのコピーやテキストの書き分け方が分からない」「なにがコピーで、なにがコピーじゃないか分からない」というお悩みを持っている方、ちょっと手を挙げてみてください。

 ……おお。けっこういらっしゃいますね。実際、セミナーやお仕事でも、書かなきゃならないWeb担当者さんから、そういった質問をいただくケースが多々あります。そこで今回は、Webにおける「コピーの種類と条件」をテーマに、お話を進めていこうと思います。

 前回はコピーやテキストの基本構造を「料理」に見立てて解説しましたが、今回の見立ては「魔法」です。前回に続いて、「コイツ、なに言ってるんだ?」とお思いでしょうが、どうか最後までお付き合いください。

 「魔法」というのはおおむね、呪文を唱えて、目的を達成するものです。そう考えると、最初にお話しした「Webにおけるコピー」と通じる部分が多いと思いませんか? 呪文ではないにせよ、言葉を使って、売上げや反応率を向上させたり、ファンを増やしたりということは、「魔法」の構造と極めて近いモノがあるのではないでしょうか……と、強引に話の流れをつくったところで本題に入っていきます。まずは、「ページによってのコピーやテキストの書き分け方が分からない」という問題を解決するメソッドを紹介していきましょう。

 RPGやファンタジー映画ではよくある考え方ですが、「魔法」には火・水・土・風というような、大まかな「属性」があり、相手や状況に合わせて使い分けてこそ、大きな効果を生む……というような設定がよくあります。「魔法」じゃないですがポケモンやモンハンとかにも似たような設定がありますよね。Webにおけるコピーやテキストにも、同じように「4大属性」があるんです。絵にするとこんな感じです。

 ……実は、レクチャーでは幾度となくやっている内容ですが、イラスト化したのは今回が初なんですよ。けっこう妖しげな仕上がりですね……しかし! この「4大属性」を理解しておくと、前述したような「書き分けの迷い」が、正に魔法のようにスッキリと理解できるようになります。とりあえず各属性の解説をしていきます。パルプンテ。

(※以下に掲載するサンプル画像は筆者の実績ではありません)

 

   【1】検索

 必要な情報を探すユーザーに対して、「発見してもらう」ことに特化した属性です。ディスクリプションや、検索対策を意識したブログ、自社メディアの記事、FAQページなどが含まれます。

 「検索」で重要になってくるのは、ユーザーがどんな流れで情報を探しているかを知ること。例えば、あなたがA社という掃除用品メーカーの商品担当だったとしましょう。ユーザーが「カーペット シミ」という目の前の課題で検索しているのか、「布 シミ抜き剤」というジャンルで検索しているのか、「A社 絨毯ピカール」という具体的な商品名で検索しているのか……その傾向に合わせたキーワードの使い方を意識すると、この「検索」属性のコピーやテキストはより大きな効果を発揮するはずです。

 

   【2】演出

(「VAIO株式会社」http://vaio.com/)

 商品やブランド、企業に対する驚きと発見、共感を生み出し、ファンを獲得することに特化した属性です。トップページやコンセプトページなど、それから、いわゆるキャッチコピーもここに含まれます。

 狙いはユーザーの直感的な部分を刺激すること。イメージを膨らませたり、強い想いを伝えたりすることが主な目的なので、トーンもおのずと、感情的な表現や、印象的な表現になります。また、写真やイラストといったキービジュアルとの連動性も重要になってきます。ちょっと雑な言い方かもしれませんが、反射的に「いいね!」が押される内容かどうか? という基準で考えると分かりやすくなると思います。

 

   【3】説得

(「AssistOn」http://www.assiston.co.jp/)

 通販の商品ページや会員登録ページなどで、購入や加入を促す属性です。「演出」が直感的な部分に訴えかける属性であるのに対し、「説得」は理性的な損得勘定による判断を導く属性であるといえます。価格面での優位性や、期間・数量の限定性を押し出し、冷静に考え、比較検討して「それでもお得」「それでも必要」だと思わせる言葉や情報選びを心がけてください。数字を盛り込むことも有効です。

 

   【4】誘導

(「メガネスーパー」http://www.meganesuper.co.jp/)

 これは端的にいうとナビゲーションの属性です。イベント概要やアクセス、スペック表などがこの属性に当てはまります。「誘導」でもっとも重要なことは、「正確性」と「わかりやすさ」。ユーザーを迷わせず、スムーズに導く表現に徹してください。情報量が多く、文章にまとめることが難しいと感じたら、項目化して個条書きにするのも有効です。

 ——と、ざっくりとした属性分けについてレクチャーしてみました。もちろん実際は、価格に対するこだわりを語るページや、価格訴求をしながら来場案内をするページなど、4大属性が複合的に重なり合うコンテンツも少なくないのですが、いずれにせよ書き分けに迷ったら、「自分が書かなきゃならないのは、どの属性なのか?」を考えることは、非常に重要な要件になってきます。

【例】演出×説得の複合表現

実際はこうした複合属性の表現が求められる場面が多い。含まれる属性とその割合を意識すると、表現の方向性がより明確になる。(「富士通Web Mart」http://www.fujitsu-webmart.com/)

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