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MARKETING 書かなきゃいけない人のためのWebコピーライティング教室 ― 第4回

4限目:「ボディコピー」を「ナイスバディ」に変える方法

2015年03月12日 13時00分更新

森田哲生/Rockaku

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イラスト:寺井麻美

「コピーは短い方がいい」は、半分正解

 お久しぶりです。2014年の8月末に人間ドックを受けまして、お酒が飲めないにもかかわらず肝臓と尿酸値とコレステロールに真っ赤な判定が出て、ダイエットを余儀なくされたRockaku森田です。医者曰く、「運動しないで旨いもの食い過ぎ」。軽く生命の危機を感じた僕は、食事を改め、ジムにも通い、開始約3か月で10kgものダイエットに成功しました。

 ……と、いうわけで(何がだ)、今回の授業のテーマは「ボディコピー」です。「ボディコピー」とは、キャッチコピーや見出しの後に続く本文のこと。キャッチコピーや見出しがコピーの顔だとすれば、まんま、「コピーのカラダ」ってことになります。

 しかも今回は、ただの「ボディコピー」ではありません。「ナイスバディ」な「ボディコピー」です。自分のダイエットにこじつけたような導入ですが、実は連載開始前からタイトルは決まっていました。奇遇にも程があります。

 さて、前回から2か月以上も連載を止めているくせに、自由気ままな文章を書いていると、担当編集さんに申し訳が立たないので、本題に入っていきましょう。

 鳴かず飛ばずのサラリーマン時代、僕は、原稿やコピー案を出すたびに上司にさんざん怒鳴られました。「この半分の文字数で書け!」と。この罵倒は半分正解です。なぜなら、Webを含む広告のコピーを読む人は、コラムや小説を楽しむ「読者」じゃありません。その商品やサービスを利用するかどうかを判断する「ユーザー」です。目の前に提示される情報量は当然少ない方がいいに決まっています。

 ただし、もう半分は不正解だと思います。漠然と「コピーを短くする」という指示は、ただひたすら食べないだけでげっそりやせるダイエットくらい間違っています。大切なのは、「ボディコピー」で伝えるべき事柄を見抜き、その中身を失わず、密度を高めながら文字量を減らすか……ということ。つまり、「ボディコピー」のプロポーションを整えるメソッドが必要なんです。

ボディコピーの基本は「リライト」にあり

 独立して以来、僕がとても大切にしてきた仕事があります。それは「リライト」です。平たくいうと、クライアントや別部署の担当者が用意した原稿の「書き直し」ですね。でも、僕が考える「リライト」は、言葉尻やトーンを整えるだけの単純な書き直しではありません。元になるものがいわゆる原稿ではなく、商品情報やリリース資料だったとしても、そこから情報を「ボディコピーとして書き直す」という点においては、本質的に同じ「リライト」です。まずは、この「リライト」という作業の中身をお伝えすることで、「ボディコピー」制作の基本を解説していきたいと思います。

書く前に読む! 「書く力」を支える「読解力」

 まず、その原稿や元になる情報の中で言わんとしていることを読み取ります。そうです。書く前に「読解」するんです。そうすると、そのコピーが果たさねばならない役割、達成したい目的などの基本設定が見えてきます。ダイエットだって、データに基づいた食事や運動メニューを設定してから取りかかった方が効果的じゃないですか。その設定がしっかり決まっていれば、既存の情報の中に「ロス」があることに気づくはずです。同じ意味合いの言葉を繰り返し書いていたり、結論が凄く遠くにあったり、最初に伝えるべきことが最後にきていたり……。無駄をそぎ落とし、語順や段落を整えていくこと。それが「リライト」です。

 しかしながら、いきなり「読解力を高めろ!」とだけ言い放って終わるのはちょっと乱暴ですよね。そこで、「読解力」を高めるために抑えておきたいポイントをご紹介しましょう。

1.主体の確認

 1時限目からしつこく言ってきたことですが、まずは、「そのコピーを発信しているのが誰なのか」を把握することが大切です。メーカーとしてなのか? ブランドとしてなのか? SNS担当の「中の人」としてなのか? そこを明確にすることで、言葉の顔つきが定まるはずです。

2.訴求点の確認

 実際に扱われる商品やサービス、ユーザーが受け取れるメリット、あるいはキャンペーンの内容、期間、参加条件など、その「ボディコピー」が訴求しようとしている具体的な内容を抜き出しましょう。この項目の具体性が高いほど、「ボディコピー」の魅力は高まっていきます。

3.対象の再定義

 主語と訴求点が定まったら、次にその「ボディコピー」が誰に向けて発信されるのか? を把握しましょう。ポイントは対象となる人の性別、年齢、その商品・サービスに対する知識などをリスト化すること。漠然とした「主婦」とか「中高年」ではなく、具体的な特性を把握することで、対象となるユーザーの顔が具体的に浮かび上がり、コピーのありようもわかりやすくなっていくはずです。

4.目的の把握

 そして最も大事なこと。「そのボディコピーが達成するべきこと」を見定めてください。商品の購入なのか、会員登録なのか、イベントへの来場なのか……その目標を達成するために書かねばならないこと、導かなければならない次のページをしっかり把握しておきましょう。

読解の実例

 たとえば、こんなプレスリリースを読解して、短いボディコピーを書いてみます。

 この商品の場合、すでにエリア限定販売での実績があったこと。これまでは他のエリアで食べることが難しかったことなどから、第1の目的を「全国販売開始」の告知に絞り、「全国解禁!」という表現にしてみました。

 また、新発売=商品認知の観点と、美味しさを同時に訴求するために「金のチャーハン」の定義を優先的に説明し、その後に具材の訴求、ついで、どこで買えるかを盛り込み、コピーを締めくくりました。

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