業界人の《ことば》から 第102回
Windowsが動くSteam PCで、Chromebookを倒す
MSのシェアはPCでは9割、しかし全デバイスではたった14%
2014年07月23日 10時51分更新
9型以下タブレットが起爆剤に、中国で発注が過熱?
これらの施策はすでに成果をあげはじめているようだ。
ケビン・ターナーCOOは、「9型以下のデバイスに対して無償でWindowsを提供すると発表して以降、中国・深せんのODMに製造注文が殺到し、31機種の生産が新たな開始されている」と説明する。
そして、その動きはさらに加速することになりそうだ。
ターナーCOOは、基調講演のなかで、青い筐体のノートPCをスタッフに壇上まで持ってこさせ、それを片手に、次のように説明した。
「これは、199ドルで年内にも発売されることになるヒューレット・パッカードのノートPCである。名称は、Stream PC。ChromeBookは、ウェブにつないでしか使用ができないが、これはWindowsが動作するノートPCであり、それにも関わらず、Chromebookよりも安い」と強調してみせた。
さらに、ヒューレット・パッカードが7~8型の液晶ディスプレイを搭載した99ドルのタブレットPCを用意していること、台湾エイサーが、Intel Cerelonを搭載し、500GBのハードディスクを搭載した15.6型液晶ディスプレイ搭載の「Acer Aspire ES1」を249.99ドルで発売したこと、年内には、東芝が、11.6型の液晶ディスプレイ、32GBのSSDを搭載し、2.4ポンド(約1kg)の重量とした249ドルのノートPCを発売する予定であることも明らかにした。
一方で、Windows Phoneについても、「Windows Phoneは全世界で、毎月1200万件のアクティベーションがあり、年率91%の市場成長を遂げている。すでに、14の市場でトップシェアとなり、首位となった市場は昨年に比べて倍増している。また、8つの市場ではシェアが10%を超え、24の市場でiPhoneのシェアを上回っている。Nokiaの買収が完了することで、幅広い品揃えを持った形でWindows Phoneを展開できる。また、サードパーティからも多くの製品が登場することになるだろう」などと述べた。
日本での製品投入については、樋口社長が「がんばっている」と語るに留めているが、今後、14%のシェアを高める上でも、日本におけるWindows Phoneの展開は避けては通れないだろう。
マイクロソフトがチャンジャーの意識を強く持てば持つほど、日本におけるWindows Phoneの足音は近づいてくるに違いない。
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