Windows Phoneがローエンドで
市場を作ることができるのか?
Microsoftとしてみると、新しいCEO、Satya Nadella氏の下で改革が始まったことになる。Nadella氏は同時期に”クラウドファースト””モバイルファースト”に加えて、「プロダクティビティー(生産性)とプラットフォーム」を打ち出しており、17日の発表では携帯電話分野についてWindows Phone/Lumiaですべての市場に対応していくという戦略を打ち出した。
以前からNokia Xについては、Microsoftの下に入った後は存続する意義がないとみる向きは多く、Nadella氏の斬新な決断は、Nokiaを飲み込んでデバイスとサービス企業を目指すにあたってMicrosoftの本気を伺わせる。
だが、ハイエンドではWindows Phoneの苦戦は続いており、ローエンドも楽観できない。Androidはもちろん、Firefox OSなど新しいOSもある。これに対するMicrosoftの回答が、4月に発表したライセンス無償化(画面サイズが9型以下の端末についてWindows/Windows Phoneのライセンスを無料にするというもの)だ。Microsoftは自らが旗振り役となって、ローエンドのWindows Phoneスマートフォン市場を作っていく必要がある。
それでも不透明さは残る。そもそもNokiaがローエンド向けスマホとしてAndroidフォークを作成した最大の理由はアプリだったはず。Windows Phoneではそろわないアプリの世界がAndroidにはある。アプリやエコシステムについての新戦略は(まだ)明らかにされておらず、市場を作っていく上でやるべきことは多いように見える。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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