7月15日、BIツールベンダーのTableau Japan(タブロージャパン)は、最新版となる「Tableau 8.2」の製品発表会を行なった。「データでストーリーを伝えよう」と題されたラウンチイベントでは、300名を超える聴講者が集まり、関心の高さを伺わせた。
グローバルでは倍々で売り上げを拡大
Tableauはクラウド時代を見据えたBIツールの代表格。高価で専門家の利用を前提とした大手ITベンダーの製品と異なり、低価格で事業部門のユーザーが手軽に使える使いやすさを大きな売りにする。クラウド上のデータソースを手軽に使えることもあり、Amazon RedshiftなどのフロントBIとして導入されることも多く、国内でも数多くの事例を抱えている。
冒頭、挨拶に立ったTableau Japan社長 浜田俊氏は、Tableau 8.2の新機能である「ストーリーポイント」を使って、聴衆たちをプロファイリング。トップにあるストーリーに沿って、聴講者のロケーションを表わした地図や、肩書きの分布を表わしたバブルチャートを披露し、Tableauならではのビジュアルパワーを見せつけた。
続いて、浜田氏はTableauのビジネス概況と日本での取り組みを説明した。グローバルでのTableauは倍々ゲームで売上を伸ばしており、日本でも4月までで昨年の売上を突破。通年では昨年の4倍になると説明した。それに伴いテクニカルサポートやWebサイトの日本語化を図るほか、プロフェッショナルサポートも提供する予定。さらにイベントやTableauをベースにした書籍の刊行も披露された。
データだけではなくストーリーで納得させる
最新版のTableau 8.2で搭載される「ストーリーポイント」は、シートやダッシュボードにプレゼンテーション機能を追加することで、データの説得力を高めるというもの。注釈やハイライト、フィルターを利用し、データの重要な部分のみを抽出し、説明を追加し、発見した内容を強調。「データでストーリーを伝えよう」というコンセプトの元、点と点のデータをつなぎ、より意味のあるストーリーで人間に納得しやすくするというのがポイントだ。
8.2の新機能について説明した米Tableau Software 製品担当ディレクターのサシャ・パサルカ(Sasha Pasulka)氏は、「人間はデータを使ってストーリーを語る。ストーリーを使ってコミュニケーションを図る」と説明。しかし、今まではBIとプレゼンテーションが分離していたため、データをプレゼンにコピー&ペーストしていた。これに対して8.2で追加されたストーリーポイントでは両者を一体化することで、人間にコンテキストを理解させやすくする。パサルカ氏は「プレゼンテーションやダッシュボードは単に売上が下がったという事実(What)しか提示できない。ストーリーポイントでは上司や関係者に納得する理由(Why)まで提示できる」と語る。
さらにTableau 8.2では、新たにMacをサポート。Windowsと同じ操作体系、同じライセンスで、同じファイルをそのまま利用できる。また、サードパーティに依存していたマップもゼロから再設計し、端末の進化にあわせ、高い解像度と精密なズームダウンが可能になった。最初の関門であるデータの取り込みに関しても、より容易に行なえるように、ドラッグ&ドロップでのデータ登録やデータのプレビューをサポート。SplunkやGoogle BigQuery、SAP HANA、列数が255を超えるExcelファイルなどデータソースへの接続も改善・追加された。