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iPhoneやPCで高音質リスニングを楽しむポータブルアンプのススメ 第3回

ポタアンにもバランス端子! 屋外でも最高の音楽を楽しむ!

2014年07月02日 17時00分更新

文● 鳥居一豊

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AK240の設計を踏襲した第2世代シリーズ登場
「Astell&Kern AK120II」

「Astell&Kern AK120II」

「Astell&Kern AK120II」

 「Astell&Kern AK120II」(実売価格21万円前後)は携帯音楽プレーヤーながらUSB DACとしても使える製品。Windows PCやMacintoshなどとUSB接続することで、バランス駆動対応DACとして使用できる(最大96kHz/24bit)。

 最上位モデルの「AK240」(同24万5000円前後)の機能と基本設計を踏襲したモデルで、3.31型有機ELディスプレーの採用やOSにAndroidを搭載、Wi-FiおよびBluetoothも内蔵するといった機能は共通。

 バッテリー寿命は約10時間、DACにはシーラス・ロジックの「CS4398」を左右独立のデュアルDAC構成で採用する。AK240と比較して、実際のオーディオ回路にはそれなりの違いもあるのだろうが、S/Nがアンバランス116dB、バランス117dB、クロストークが、アンバランス130dB、バランス135dBというオーディオスペックは同じだ。

 価格が近いだけに、AK240とAK120IIの差が気になる人は少なくないと思うが、大きな違いとしては、内蔵メモリーがAK120IIが128GBに対して、AK240が256GB。外観のデザインの違いや材質の違いのほかは、DSD再生がAK120IIは最大5.6MHzに対応するものの176.4kHz/24bitのPCM変換になるのに対し、AK240は最大5.6MHzのDSDネイティブ再生が可能という点が異なる程度だ。

 いずれにしても高価だ! という人は多いだろうが、そんな人に朗報。すでに試作モデルなどがイベントなどでお目見えしていたAK100IIも発売が決定した。7月11日発売予定で、予定される価格は11万円前後と、AK240やAK120IIに比べれば手の届く価格となっている。

 背の高さがやや異なるがAK120IIと同様のデザインで、内蔵メモリーは64GBとなる。大きな違いは、DACがシーラス・ロジック社のCS4398のシングル構成となっている点くらいだ。  この3モデルについては、主なスペックを下の表にまとめておくので、参考にしてほしい。

Astell&Kernシリーズの主な仕様
AK100II AK120II AK240
内蔵メモリー 64GB 128GB 256GB
メモリー増量 最大128GB
DAC CS4398×1 CS4398×2
バランス出力
DSD再生 最大5.6MHz(176.4kHz/24bit変換) 最大5.6MHz(ネイティブ再生)
S/N(アンバランス) 114dB 116dB
S/N(バランス) 115dB 117dB
クロストーク(アンバランス) 127dB 130dB
クロストーク(バランス) 130dB 135dB
バッテリー駆動時間 約10~11時間 約9~10時間 約5~10時間
本体サイズ 幅55×奥行111×高さ14.9mm 幅55×奥行118×高さ14.9mm 幅66×奥行107×高さ17.5mm
重量 約170g 約177g 約185g

 AK120IIは社内デザイナーによる外観デザインを採用。ヨーロッパデザイナーによる複雑な面構成をもったAK240に比べ、すっきりとしたフォルムになっている。

AK120IIの上面。ヘッドフォン出力は2系統(アンバランス、バランス)。端子の口径が異なるため、接続間違いの心配はない

AK120IIの上面。ヘッドフォン出力は2系統(アンバランス、バランス)。端子の口径が異なるため、接続間違いの心配はない

AK120IIの底面。充電およびPCとの接続用のmicroUSB端子がある

AK120IIの底面。充電およびPCとの接続用のmicroUSB端子がある

左側面には、再生操作ボタン(曲送り/再生・一時停止/曲戻し)と、メモリー増設用のmicroSDカードスロットがある

左側面には、再生操作ボタン(曲送り/再生・一時停止/曲戻し)と、メモリー増設用のmicroSDカードスロットがある

 ボリューム部分には弦楽器をモチーフとしたスリットがあしらわれるなど、AK120MKIIとの共通する部分のあるデザインだ。

 操作ボタン類は最小限で、上部にボリュームと電源ボタン、左側面に再生操作用のボタンがある。接続端子は通常の3.5mmステレオミニ端子によるアンバランス出力(光デジタル出力兼用)と2.5mm4極端子のバランス出力がある。

 やはり注目は、携帯プレーヤーでバランス出力が可能という点だろう。デュアル構成のDACは、左右それぞれがプラス/マイナス/グランドの信号を出力し、出力アンプも左右それぞれプラス/マイナスが独立したバランス構成となる。

イタリア高級皮革ブランド「BUTTERO」のレザーケース(クロコダイル柄)のほか、充電用のUSBケーブル、ディスプレー面と背面の保護用クリアシールなどが付属する

イタリア高級皮革ブランド「BUTTERO」のレザーケース(クロコダイル柄)のほか、充電用のUSBケーブル、ディスプレー面と背面の保護用クリアシールなどが付属する

(次ページに続く、「Astell&Kern AK120IIを試聴!」)

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