PCはもちろん、iPhoneなどの携帯プレーヤーの音質をさらにグレードアップして楽しめる今注目を集めているアイテムであるポータブルヘッドホンアンプ(略してポタアン)。USB DAC内蔵タイプが主流となり、デジタル接続によるさらなる高音質化やPCでもハイレゾ音源の再生にまで対応したモデルも増えている。
そんな最新のポタアンをガイドしていくこの特集の第2回は、PCだけでなく、iPhoneなどでのハイレゾ(DSD)再生に挑戦する。なお、ハイレゾ音源やDSDについて詳しく知りたい方はこちらの記事を参照してほしい。
iPhoneでのDSD再生に光が見えはじめた!
少し前まで、iPhoneでのハイレゾ音源再生は、再生可能なアプリや対応できる機器が少なく、環境や機器が十分に整っていなかった。
ただし、直近ではiPhoneなどのiOS端末はある程度環境が整っており、製品にも付属するLightning-USBケーブルでポタアンとのデジタル接続が可能で、対応機器も増えてきている。iOS 7以降になると、ハイレゾ信号の出力も可能なっているようで、96kHzまでのサンプリング周波数のデジタル接続ができるポタアンも登場している。
Androidは、ハイレゾ音源の再生に対応するスマホが各社から発売されるなど、再生アプリによる対応はできてきているようだが、デジタル出力となるとまだ十分とは言いにくい。
ソニーのハイレゾウォークマンのようなAndroidベースのカスタム仕様の音楽プレーヤーなどいくつかの例外はあるが、多くのスマホは48kHz出力に制限されているのがほとんどだ。
現在のポタアンは環境の整ったPCに合わせて、USB DAC内蔵モデルならばリニアPCMの192kHz/24bit対応は当たり前、DSD音源に対応するものも続々と増えている。屋外でハイレゾ音源を楽しむというならば、モバイルPCやタブレットPCを使う手もあるが、やはりスマホなどのポータブルプレーヤーでハイレゾ再生をしたいというのが人情だ。
iPhoneでハイレゾ再生するのに必要なのは
Lightning-USBカメラアダプター!?
iPhoneなどでハイレゾ信号のデジタル出力をどう実現するのかというと、ちょっと裏技的な方法を用いる。そのために必要になるのがUSBホストケーブルだ。
iPhoneなどのiOS端末では、「Lightning-USBカメラアダプター」と呼ばれる。もともとは、スマホなどの携帯端末とデジカメなどを接続して写真データを取りこむ用途で発売されていたもの。
以前はiPad用となっていたが、iOS 7以降にアップデートすればiPhoneやiPod touchなどでも使用できる。
今回紹介するiFI Audioの「nanoiDSD」と、レゾネッセンス・ラボの「HERUS」。PCとの接続に限れば、192kHz/24ビットのリニアPCMやDSD音源に対応するモデルは数多いが、この2モデルはiOS端末でもデジタル接続によるハイレゾ音源(DSD含む)の再生が可能なのだ。
iPhoneでもハイレゾ再生が可能になるということで、なかなか魅力的な製品と言えるはず。事実、iFI AudioのnanoiDSDは、昨年末の発売以来、春頃まで長く品薄が続いていた人気商品で、熱心なユーザーの間ではすでに話題となっているモデルである。
(次ページに続く、「iFI Audio nanoiDSD」)
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