「Samsung SSD 850 PRO」はSATA対応SSDの最終進化形か?
Samsung SSD 850 PROシリーズ スペック表 | ||||
---|---|---|---|---|
容量 | 128GB | 256GB | 512GB | 1TB |
コントローラー | Samsung MEX | |||
シーケンシャルリード | 550MB/秒 | |||
シーケンシャルライト | 470MB/秒 | 520MB/秒 | ||
ランダムリード(4K QD32) | 10万 IOPS | |||
ランダムライト(4K QD32) | 9万 IOPS | |||
ランダムリード(4K QD1) | 1万 IOPS | |||
ランダムライト(4K QD1) | 3万6000 IOPS | |||
キャッシュ容量 | 256MB | 512MB | 1GB | |
MTBF(平均故障間隔) | 150万時間 | |||
TBW(書き換え可能容量) | 150TB | |||
外形寸法 | 69.85(W)×100(D)×6.8(H)mm | |||
製品保証 | 10年間 |
840 PROのシーケンシャルリードは最大540MB/秒(128GBモデルは最大530MB/秒)であったが、850 PROでは全モデルで最大550MB/秒に向上。
シーケンシャルライトも、128GBモデル同士の比較では、840 PROが最大390MB/秒だったのに対し、850 PROは最大470MB/秒へと大きく向上している(256GBモデル以上のシーケンシャルライト速度は、840 PROも850 PROも同じ最大520MB/秒)。
ランダムアクセス性能も向上しており、4KBランダム(QD1)のリードが、840 PROでは9900IOPS(128GBモデルのみ9800IOPS)だったのに対し、850 PROでは全モデルが1万IOPSに、4KBランダム(QD1)のライトが、840 PROでは全モデルが3万1000IOPSだったのが、850 PROでは全モデルが3万6000IOPSとなっている。
840 PROの場合、128GBモデルはそれ以上の容量のモデルに比べて性能がかなり低かったのだが、850 PROでは、最も安価な128GBモデルでも、256GB以上のモデルとほとんど変わらない性能を出せるようになっていることは高く評価できる。
850 PROは、性能だけでなく耐久性と信頼性も向上している。書き換え可能容量(TBW)が、840 PROの73TBから850 PROでは150TBへと倍増している。1日40GBの書き込みなら、10年以上持つ計算になる。書き換え可能容量が倍増したため、製品保証期間も2倍に延びており、840 PROは5年間であったが、850 PROでは10年保証を実現している。
コンシューマー向けSSDとしては、トップクラスの保証期間であり、Samsung製クライアント向けSSDとして、初の10年保証となるため、頻繁に読み書きを行う人でも安心して利用できる。
さらに、850 PROでは、省電力機能も強化されており、スタンバイ時の消費電力(DEVSLP Power)が840 PROの10mW未満から、2mwへと約5分の1に削減されている。Ultrabookなど、バッテリで動作する製品にも最適だ。
840 PROを上回る
史上最速レベルのパフォーマンス
2012年に登場した840 PROも、シリアルATA 6Gbs対応SSDとして最速クラスの性能を長らく誇っていたが、その後継として登場した850 PROは、840 PROをさらに上回る公称パフォーマンスを実現している。
そこで、そのパフォーマンスを実際に検証してみた。テスト環境は、以下に示した通りである。容量が同じ512GBの850 PROと840 PROを用意し、性能を比較してみた。
テスト環境 | |
---|---|
CPU | Intel「Core i3-4130T」(2.9GHz) |
マザーボード | ASRock「Z87M OC FORMULA」(Intel Z87 Express) |
メモリー | DDR3-1600 4GB×2 |
ビデオカード | ELSA GLADIAC GTS 250(GeForce GTS 250) |
システム用SSD | OCZ Technology Vertex 4 128GB |
OS | Windows 8.1 Pro Update 64bit |
CrystalDiskMark 3.0.3bの結果(ランダムデータ)
まずは、「CrystalDiskMark 3.0.3b」の結果から見ていこう。850 PROのシーケンシャルリードは、522.8MB/秒にも達しており、非常に優秀だ。840 PROのシーケンシャルリードも516.9MB/秒と高いが、850 PROはさらに高速になっており、シリアルATA 6Gbps対応SSDとしてはほぼ限界の速度といえる。
シーケンシャルライトは、850 PROと840 PROでスペック上の差はないが、CrystalDiskMarkの結果でも、850 PROが498.3MB/秒なのに対し、840 PROは497.4MB/秒とほとんど差はなかった。また、スペック上は、ランダム性能も850 PROが多少向上しているのだが、CrystalDiskMarkでのテストでは差が出なかった。
CrystalDiskMark 3.0.3bの結果(0Fill)
次に、データとしてすべて「0」を書き込む0Fillでも計測してみたところ、850 PROのシーケンシャルリードは520.9MB/秒、シーケンシャルライトは497MB/秒であり、通常(ランダムデータ)の結果とほとんど変わらなかった。
書き込みの際にデータを圧縮してから書き込むタイプのSSDでは、ランダムデータよりも0Fillのほうが性能が向上するのだが、850 PROや840 PROは、ランダムデータでも0Fillでもほぼ結果が同じであり、書き込み時にデータ圧縮処理をしてないということだ。
製品によっては、スペック上の性能を上げるために、データ圧縮処理を行なっているものもあるのだが、850 PROや840 PROは、どのようなデータでも安定した性能が得られるわけで、より優れた設計といえる。
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