どれが高速!?　IEEE 802.11ac製品選び 第3回

4000円からの433Mbps11acルーター＆ホテル向けルーターをチェック！

433Mbps製品のスピードをチェック！
ギガビットLAN対応なら200Mbpsオーバー！

　今回紹介した433Mbpsクラス製品の通信速度を計測した。計測の環境や手順は1300Mbpsクラス製品、866Mbpsクラス製品のときと同様（詳細は第1回を参照）。

　計測するPCの子機としてはエレコムの「WDC-433SU2M」を統一して使用している。計測結果は以下のとおりとなった。

433Mbpsルーターの測定結果。数値の単位はMbps

　計測結果を見ると、アイ・オー・データ機器「WN-AC733GR2」とエレコム「WRC-733GHBK」の2台の結果と、NEC「AtermWF800HP」、エレコム「MZK-750DHP」、コレガ「CG-WFR600」の3台の結果で二分されるような格好で速度差がついた。

　これらのルーターの仕様を確認すると、前者2機種は有線LANの仕様がギガビットイーサ対応であり、後者3機種は100Mbps対応だった。

　最大通信速度が433Mbpsという11ac規格自体は同じなので、無線通信速度のボトルネックが有線LANポートにあるということになる。同じ433Mbpsクラスの製品を購入するにしても、その点を気にする必要がありそうだ。

　逆にいえば、有線LANに接続するデバイスがないのであればあまりそこを気にする必要もなくなりそうだ。

ホテルでも快適11ac通信！
ホテルルーターを使ってみよう!!

ホテル向けルーターもいろいろあり、サイズも異なる

　現在、いわゆる「ホテルルーター」が人気を博している。11ac特集としては外すことができないので、最後にこれらを紹介する。

　出張先、旅行先のホテルにWi-Fi設備がなく、部屋の隅にあるデスクそばに有線LANポート、そしてデスクの引き出しにLANケーブルがあるのみ……。自分が持ってきたのはLAN端子のないMacBook AirにWi-Fi仕様のタブレット。仕方なくスマホのテザリングを使っていたら、運が悪いことに月間の通信容量制限に引っかかって……というような、いろいろ悲惨な事態を避けるための必携アイテムなのだ。

　ホテルルーターをホテルの有線LANケーブルに差し込んで電源をオンにすると、超小型Wi-Fiルーターとして駆動開始し、複数台のWi-Fi機器を接続できるようになる。

　PCにスマホにタブレットにゲーム機……などなど多数のWi-Fiデバイスを持ち歩いて旅行や出張に出かけることが多い人なら欠かせないだろう。

　このホテルルーターにも11ac対応製品が登場している。サイズの都合もあるのかすべて433Mbpsクラスの製品となっているが、それでも高速データ通信と、近隣のWi-Fiデバイスや電気機器と電波干渉しにくい5GHz帯を利用できるメリットは大きい。

　ここで、今回ピックアップした4機種のホテルルーターの共通仕様を挙げる。

• WANポート×1基（100Mbps対応）
• 電源はUSBからの給電
• Wi-Fiは11ac対応で最高433Mbps（理論値）
• 5Ghz帯と2.4GHz帯の利用は排他（スイッチで切り替える）

　まず、WAN側は100Mbpsなので、ホテルのLANの速度がそれ以上でも意味はない。そして無線通信速度も、前述の433bpsクラス製品のベンチ結果と同等程度になりそうだ。

　また、電力供給はUSBからの給電のみなので、給電用のUSB変換ACアダプターもしくはPCが必要となる。

　5GHz帯と2.4GHz帯はスイッチ切り替えでどちらかいずれかしか利用できない。そのため、接続するデバイスが5GHz帯（11ac/n/a）と2.4GHz帯（11n/g/b）とで混在していると、同時接続するためには必然的に11ac対応デバイスを、（対応していれば）2.4GHz接続に設定変更する必要がある。

　逆に製品の差が出るのは、本体サイズ／重量、実売価格、外観デザイン（カラバリ）で、あとはほとんど大差ないと思われる。なお、同時接続できるWi-Fiデバイスの台数にも上限があるはずだが、製品によって明確な上限台数を記載している場合とそうでない場合があるのでここでは割愛する。おおむね5台程度の同時接続なら通信速度に影響が及ぶことはないだろう。

　ということで、次ページでは現在おススメのホテル向けルーター4機種を紹介する。

（次ページに続く、「おススメのホテル向けルーター4機種」）