登場!「Range Extender」という名の
発電機を搭載したEVに搭乗!
電気自動車(EV)が各社から続々と発売されている。中には、既存のガソリン車を電気自動車に改造したもの(たとえば三菱「i-MiEV」 関連記事)もあれば、EVとしてゼロから設計された(たとえば日産「リーフ」 関連記事)ものまである。さらにプリウスのようにエンジンとEVをあわせたハイブリッド車(ガソリン走行時の充電のみでコンセントや充電スタンドでの充電は不可)に加え、コンセントや充電スタンドでも充電できるプラグインハイブリッド(PHEV)などがある。
このように電気自動車にも色々あるが、各社の各車が目指している目標は1つ! ガソリン車同様に長距離を走れることだ。ハイブリッド車は、エンジンでも走れるので走行距離は500kmオーバー(東京~大阪ってスゴッ!)は当たり前、運転のしかたや車種にもよるが1000kmオーバー(東京~福岡ってソーラーカーかっ!)もイケるという。ただしモーターはエンジンの補助って感じがスゲー強い(はたから見てるとモーターっぽいけど、実際に乗ってみると頻繁にエンジンがかかる)。
だが純粋に電池とモーターだけで走る環境にやさしいEVだと、頑張って走っても航続距離200kmまで行くのは難しくなる。街中を走っていると100kmそこそこという感じ。
「EVじゃ100km先のイオンまで買い物行けない!」という広大な土地の住人は電池切れが怖くて乗れない。それが2013年までの電気自動車だったのだ。
そこに登場したのが、2014年4月から納車が始まったBMW初の電気自動車「i3」だ。純粋なEVモデルだと公式発表でフル充電130~160kmなのだが、Range Extenderという充電用に軽自動車のエンジン相当を積んだタイプなら、満タン+フル充電で300km走れる。これなら100km先のイオンで「ざんぎ」(北海道弁でから揚げのこと)買っても帰ってこられるのだ。
今回はBMW i3を試乗して、トンチの効いたRange Extenderを紹介しよう。結論から言うと、電池の充電速度が10倍になる未来まで、EVの航続距離を伸ばす一番合理的な方法。それがRange Extenderだ!
フロンマスクは誰が見てもBMW!
リアビューはどう見ても神衣鮮血!
フロント回りは、BMW独特のキドニー・グリルを継承。って言っても、EVなのでエアインテークの機能はまったくなく、キドニー(腎臓)をかたどっただけで穴も開いてない。ボディーサイズは、フィットやヴィッツ見たいにコンパクトだが、エンジンが前にないので前輪が異様に前にあり、ホイールベースは一般車なみにある。
ASCII.jp的に驚愕なのがリアのデザイン。アニメファンならみんな腰を抜かすほど「キルラキル」の神衣鮮血(カムイセンケツ:生きたセーラー服)にソックリ。ボディーカラーもオレンジだし、LED式のブレーキランプがツリ目な上に、ウィンカーを出すと黄色に光ってまさに極制服の神衣(カムイ)の様相。しかもナンバーの回りがオレンジになってて、ちょうど口の形になってるし! もうみんなしてTwitterで「BMW i3のケツがカムイ鮮血!ワロタwww」と拡散してほしい。
特徴的なのは、ボディーサイズがコンパクトカーなのに、タイヤの径が19インチとドでかいこと。扁平率は50ぐらいに見えるが、どうやらホイールのデカさがそう見せるようで、規格的には「155/70 R19」となっている。えっ! 扁平率はタクシーのタイヤ並! しかも幅は155ととってもスリムで、これもやっぱりタクシー並み。その理由は、摩擦を少なくして距離を稼ぐためにほかならない。とまあ、こういう事情があるので撮影する場合は、ハンドルを切った向きとは反対から限定になる。そうでないと、タイヤ細っ! 細っタイヤ! になるからだ。
さて実際に乗り込んで、i3と人衣一体(バトルコスチュームに変身)するには、観音開きのドアをオープン! イギリスのタクシーというより、マツダのRX-8のような感じだ。中央のセンターピラー(前後ドアの間にある柱)もなく、開口部だけでなくキャビンもかなり広くなっている。定員は日本人なら余裕で5人乗れそうだが、4名までとなっている。写真ではリアドアも開いているが、フロントだけの開閉も可能。ただしリアドアのみは開けられない。