ひかりTVが目指すスマートTVは
「テレビをネットにつないだだけのもの」ではない
NTTぷらら代表取締役社長の板東浩二氏が説明会で強調していたのは、「スマートTV」という言葉だ。しかし、板東氏によれば、それは「テレビをネットにつないだだけのもの」ではないという。
「我々が考えるスマートTVは、サービスが多彩に使え、さらにテレビと他のデバイスが連携してサービスをシームレスに使えるもの。それが本来のスマートTVだと思ってやっている」(板東氏)。
その言葉を裏付ける例として、ひかりTVではゲーム、ミュージック、アプリなど多彩なサービスを利用できることや、スマホやタブレットなどのデバイスと連携してサービスを利用できることを説明していた。
ひかりTVの様々な取り組みを紹介した板東氏は、「テレビそのものがどう変化していくのかわからないところはあるが、参考になるのはモバイル端末ではないか。“ケータイ”がネットにつながり、10年もしないうちに“スマホ”に進化したように、テレビもブロードバンドにつながっていけば大きく変わる。そこにビジネスチャンスがあると思うので、そこに乗り遅れないようにやっていきたい」と語った。
今後の方針としては、サービス・コンテンツの多様化を図るだけではなく、4K映像やハイビジョン化率の向上で高度化を目指すとコメント。さらに、テレビ向けサービスのマルチネットワーク対応や、放送サービスのモバイル配信のマルチデバイス化を推し進めていくとした。
商用サービス開始時には「100本のコンテンツを用意したい」
まずはVODで4Kマーケットの構築が先決
質疑応答では、やはり4K映像の配信についての質問が目立った。4K放送の開始時に鍵となるコンテンツについて聞かれた板東氏は、「商用サービスの開始にあわせ、何とか100本以上集めたい」とし、「アメリカではAmazonやNetflixが4K放送の商用サービスをやると言っていて、ハリウッドから4Kコンテンツを調達してくる予定だと聞くが、我々もそのあたりが中心になってくるかと考えている」と語った。
さらに、他にも独自コンテンツの用意や、NHKエンタープライズからのコンテンツの提供を考えていると説明。「VODとして見放題という形で提供するタイトルと、PPV(ペイパービュー)で購入してもらうタイトルに分かれることになると思う」と話した。
また、チューナーについては、「テレビメーカーさんと調整させていただいて、ひかりTVの4Kチューナー機能をテレビに内蔵して提供できれば、そのテレビを買って契約するだけで4K映像が見られるようになる。また、単体でも用意することにはなると思う」と展望を語った。
では、VODではない4Kの放送サービス開始はいつ頃をめどに……という質問に対しては、「放送サービスが4Kとなれば、それを24時間流さなくては、となってくる。そのためのコンテンツを調達するのは大変なので、マーケットの立ち上がりなどを見ながら商用サービスの時期を決めていきたい。まずはVODをやって、4Kマーケットを構築するのが最優先になる」と話すに留めた。