「DSC-RX100M2」の苦手な撮影をキチンと把握する
先にDSC-RX100M2の弱点を確認していこう。まず連写時。連写性能自体は最高約10コマ/秒、連続撮影時で最高約2.5コマ/秒(AF-S時)と十分なのだが、フォーカスの追従性能はやや弱めだ。AF-C(動体追従AF)であれば、日中など明るい場所は十分追従してくれるが、ライブハウスなどちょっと暗いところになると逃しがち。特に前後の動きに弱い印象だ。ただ、AF補助光である程度ごまかせるケースも多いため、状況次第でもある。
また、連写後しばらく処理状態が続くため、連続で連写を必要とするシーンにはひどく弱い。これは動画撮影時にもいえることだ。そのため、暗い場所での撮影が多い場合は、ハイブリットAFを持つ「α6000」のほうがいい。
次にレンズフレア。「T*(ティースター)コーティング」でレンズの口径の割りにあんまりレンズフレアに遭遇していないのだが、強烈な逆光時にはさすがに注意が必要になる。
DSC-RX100M2の対逆光性能はレンズの口径もあって仕方ないレベルだが、ある程度はごまかし可能なので、取材や旅先のスナップ程度であれば不満はないと思われる。また、人物撮影でよくやる逆光での撮影は少しクセを把握する必要があるだろう。といっても、RAW撮影中心ならなんとかなってしまうので、便利ではある。
レンズの歪み補正機能のポイント
コンパクトデジタルカメラの価格帯では、歪みの少ないレンズは諦めるほかないのが以前は当たり前だったが、DSC-RX100M2ではデフォルトで歪み補正がオンになっている。厳密にはオン/オフの設定は行なえず、JPEGの場合は強制的にオン、RAWの場合は強制的にオフといった具合だ。
ただRAWで撮影した場合、本体でのプレビューでは歪み補正はオンの状態で、SONY製RAW現像ソフト「Image Date Converter」で読み込んだ場合も強制的にオンの状態になる。ソフトウェア処理されているぶん、画面端あたりがちょっと甘くなるのだが、ウェブ媒体の取材ではリサイズして掲載するため、まず気にしていない。
ちょっと距離が足りないときに役立つ「全画素超解像ズーム」
DSC-RX100M2の焦点距離は35mm換算で28〜100mm。スナップや旅先での撮影なら十分だが、取材時にはたまに登壇者までの距離が遠いこともあり、この数値はちょっと不安。同様に、何らかの理由で距離が足りないシーンがあるとイヤだなあと考える人もいるだろう。そこで妙に役立ってくれるのが、光学3.6倍ズームに加えて、さらに約2倍のズームが可能という「全画素超解像ズーム」だ。
違和感少なめにクロップしてくれるというデジタルズームで、200mm相当(7.2倍ズーム)まで伸ばすことが可能だ。注意点はフォーカスと処理速度が遅くなる点くらいだろうか。またJPEG選択時のみの機能なので、必要に応じてサッと切り替えるといったことには適していない。