制作にはデルのワークステーションが活躍
実は、この映画の制作には、デルのワークステーションが多数使われている。
「スタジオが採用していたワークステーションでは、この映画の製作は無理だと考えた。そこで我々が参加することになった。最初はパートナーシップの1社として協力したが、途中からキーパートナーとして制作に関与した」とMacpherson氏は語る。
「ワークステーションの選定においては、とにかく耐久性のあるものが必要だと考えた。いくつかのワークステーションを分解し、テストをし、どれだけ堅牢性があるのかを確かめた」
当初は、デル以外の候補もあったが、Macpherson氏は、「デルでは決定権を持った人がすぐに対応に当たってくれた。デル以外の製品は、サプライヤーやリセラーと複雑な関係のなかでやらなくてはならないという問題があった。私は、決められた予算のなかで、すばらしい環境を作り、制作をサポートすることにあった」と、デルのワークステーションの性能面での優位性だけでなく、デルの直接的なサポート体制が、選択の大きな理由になっていることを明かす。
Macpherson氏は、「制作作業においては、未知のこともたくさんあったが、これはすばらしい体験であった。技術と芸術が組み合わさり、新たな作品ができあがった」とする。
同社では、ゼロ・グラビティの撮影が終わった現在でも、新たな作品などの制作のために、過去2週間にレンダリングの強化に向け、200万ドルをデルのワークステーションに投資したという。
「技術と創造力を持ち、問題解決能力を兼ね備えたスタッフが困難を乗り越えてくれた。ここに成功の要因があった」とMacpherson氏。ここで蓄積したノウハウは、今後の映画制作においても、大きな意味を持つことになりそうだ。
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