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NTTグループと自衛隊が共同で防災訓練を実施

2014年03月12日 11時00分更新

文● 中村信博

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もはや超重要ライフラインの通信網を構築する!

 そして、ステージ3は避難所への通信確保。移動基地局車、交通孤立エリア内の避難所には自衛隊ヘリを使って可搬型衛星機器を運搬し、特設公衆電話の設置や携帯電話のエリア化、Wi-Fi環境を構築する。ステージ4は総合的な通信ライフラインの復旧作業にあたり、固定回線および携帯電話基地局の応急的な復旧作業にあたる事となっていた。

衛星移動基地局車。衛星パラボラアンテナを地上に展開し、同時に20回線が接続可能

可搬型衛星基地局。小型の車両やヘリでも運べるよう、分解して運搬できるようにした軽量な衛星基地局

こちらはさらに小型の衛星基地局で、人力でも運搬可能。交通が麻痺している状況や山中でも迅速に臨時回線や特設公衆電話を設置できる

可搬型デジタル無線装置。伝送路が故障した場合に、応急的に回線を復旧させるためのものだ

5GHz帯無線アクセスシステム。交換局と基地局間を無線により接続するシステムで、最大185回線を収容可能

災害時に自衛隊や各自治体などに貸し出される衛星電話

NTTが保有する電源車のうち、最大の2000kVA級大型電源車も2台やってきていた。ガスタービン機関で発電し、通信ビルや無線基地局など大規模施設の停電に対応する

 今回の災害対策訓練は2007年より継続的に行なわれてきたものだが、2011年3月11日の東日本大震災以降、いかに迅速に被災地域へ機材を輸送できるかに重点が置かれた内容へとシフトしている。今回の訓練では、各担当者間における連携に課題が残されており、今後も相互コミュニケーションを一層強化していくことが確認された。

 災害時における救命活動のタイムリミットは72時間といわれる。迅速かつ効率的に救助活動を行なうには、それをバックアップする通信手段をいかに確保できるかがひとつのポイントになる。今後予想される大規模災害に立ち向かうため、通信各社や自衛隊の練度向上の努力に大いに期待したい。

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