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本物!? Bitcoin作者「Satoshi Nakamoto」独占インタビューを米Newsweekが掲載

2014年03月07日 05時00分更新

文● 鈴木淳也(Junya Suzuki)

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 最近、何かと世間を騒がし、ついには各国政府自らが対応にまで乗り出す事態となった仮想通貨「Bitcoin」(ビットコイン)。現在も高速プロセッサを用いた“発掘”や取引が続いていたりするが、その出所には不明な点が多い。例えば、WikipediaのBitcoinページによれば、2009年にオープンソース開発者の「Satoshi Nakamoto」によって初めて紹介されたとしている。

 しかし、実のところ「Satoshi Nakamoto」氏が何者かは不明で、自己紹介などのプロフィールから「日本人男性らしい」というくらいしか分かっていない。そもそも「Satoshi Nakamoto」が本人の本名かどうかさえ不明で、一部のミステリーマニアや愛好家らは「何か秘められた暗号が込められているのかもしれない」「本来の身分を隠すための偽名」だと考え、その正体や隠された意味について推理が進められていたりもした。事実は小説よりも奇なりというが、本当の事実はもっとシンプルで考える余地のないことだったりするのかもしれない。

 米Newsweek誌が3月6日(現地時間)に公開した「The Face Behind Bitcoin」という記事では、2ヵ月に及ぶ内偵調査の結果、この「Satoshi Nakamoto」の居所を突き止め、本人に直接接触することに成功したことを報告している。

 本人の写真や生活風景についての詳細はNewsweekの記事を参照してほしいが、その風貌はおよそ前述の愛好家の想像や政府のエージェントや世界の投資家らが翻弄されているものとは異なり、身だしなみにあまり気を使っていない普通の中年男性のそれだった。

 本人の名前は「Satoshi Nakamoto」といい、64歳で日本の東京を出身とするアメリカ人男性で、鉄道模型を趣味としている。現在は米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊に住んでいるが、Newsweekの記者が同州テンプルシティの保安官2名の立ち会いの下でSatoshi Nakamoto氏宅を訪ねたとき、保安官らは実際の氏の風貌や生活風景と、現在世間を騒がせているBitcoinのイメージとのギャップに大きく驚いていたようだ。そう、Satoshi Nakamotoは偽名でも隠された暗号でも何でもなく、単に開発者本人の本名だったというわけだ。

 記者が実際に同氏宅を訪問したとき、対応に出た本人はひどく警戒する一方で、Bitcoinの作者であることを認めたという。だがSatoshi Nakamoto氏は、すでにBitcoinは同氏の手を離れており、それを受け継いだメンバーらが責任者となっていると述べ、実際の取引や作業に関わっている人間とは一切接触がないと、その関わりを強く否定している。つまり、根本部分の開発を行なった作者であることは認めたものの、すでに自身は無関係だとコメントのみを行なって、それ以上については語らなかったようだ。事実そうなのだろう。

 Newsweekによれば、ピーク時の取引額は1日あたり5億ドル(約515億円)であり、その気になれば一財産残して高級住宅街に隠遁生活も可能なはずだが、その生活風景を見る限り、そうした華やかな世界とは無縁の存在のように見える。

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