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通貨としての信頼性はどこに

ビットコイン取引所Mt.Goxが閉鎖

2014年02月26日 15時23分更新

文● 行正和義

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Mt.Goxのにはサイト閉鎖の理由が英文で掲載されているのみ

 なにかと話題の多いビットコインだが、一時期は世界最大のビットコイン取引所であったMt.Gox(マウント・ゴックス:所在地は東京)が26日からサイトを閉じている。

 Mt.Goxのサイトには「ニュース報道や市場の影響からサイトとユーザーを保護するために取引を停止する。」という一文があるのみ。ネットではさまざまな噂が乱れ飛んでいるが、Mt.Goxのサーバーのイは昨年から何度もDDos攻撃に加えられており、その被害などからサーバーを維持するこが困難になっていたと言われ、2月に入ってから取引をたびたび停止するなどしていた。

 これに対してビットコインコミュニティcoinbaseからは、世界のビットコイン取引所の共同声明として、「この問題はMt.Goxがユーザーの信頼を裏切ったという問題であり、ビットコインそのものの信頼性は失われていない」といった旨の表明がなされた。

ビットコインコミュニティはMt.Goxのみの問題であることを共同声明として表明

 Mt.Goxに実のところ何が起きたのかという問題はさておき、確かにビットコインの信頼性自体は損なわれていない(さまざまなハッキングの試みもビットコインを偽造するようなものではない)。とはいえ、取引所の停止によって取引できない事態になりうる可能性があるということはユーザーにとっては信頼にヒビが入りかねない。

 価値の乱高下や闇取り引きでの利用、リアルマネーに換金するための公的なしくみが存在しないといったマイナス要因ばかりが話題となるビットコインだが、偽造や決済偽装が事実上不可能なしくみからすれば、いつかはリアルな取引通貨になる可能性を秘めている。とはいえ、たとえ万全なシステムであっても、それを扱う周囲の環境が信頼されなくては普及は叶わない。今回のような問題はこれからも起きる可能性があるなか、どのように信頼回復を進めるのか注目したい。

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