標準構成だとCPU温度がやや不安
動作音はバラック状態と同じ
動作音と各部の温度の計測は、「Core i7-4770K」にGeForce GTX 680搭載カードを組み合わせたゲームPC向きの構成を組み込んで行なった。
比較対象は、バラック台に設置した状態とした。バラック台ではファンによる送風は見込めないが、外気温を直接利用して冷却できる。この比較により、PCケース内で内気と外気の循環がきちんと行なわれているかどうかをチェックできる。具体的な検証環境と検証内容は下記のとおりだ。
テスト機材 | |
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CPU | Intel「Core i7-4770K」(3.5GHz) |
マザーボード | ASRock「Z87 Extreme4」(Intel Z87 Express) |
メモリー | CFD販売 W3U1600HQ-4G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2) |
ビデオカード | ZOTAC「ZOTAC GTX680 2GB DDR5」(GeForce GTX 680) |
SSD | Micron Technology「Crucial m4 CT128M4SSD2」(Serial ATA 3.0、MLC、128GB) |
電源ユニット | Enermax「Platimax EPM600AWT」(600W、80PLUS Platinum) |
CPUクーラー | CPU付属品 |
OS | Windows 8.1 Pro 64bit版 |
テスト環境 | |
動作環境 | 暗騒音:31.2dB、室温:20.4度 |
計測条件 | アイドル時:OS起動から10分後の値、高負荷時:OCCT 4.4.0を10分間実行中の最大値 |
動作音計測 | PCケースの前面、およびベンチ台から20cm離れた場所に騒音計を置いて計測 |
温度計測 | 使用ソフトは「HWMonitor 1.24」、CPUはTemperaturesのPackage、GPUはTemperatures |
まずはCPU温度とGPU温度だが、どちらもバラック状態より高い。標準ファンは前面と背面に1基ずつと、ゲームPCを運用するとしては少なめな構成なのでこれは仕方がないと考えるべきだろう。
ビデオカードのGPU温度はともかく、CPU温度の高さはちょっと気になる。必要に応じて高性能なCPUクーラーを使い、天板には熱気を排出できる排気ファンを追加したい。
動作音は、バラック状態とほぼ同じ数値だった。静音志向のPCケースとは異なり、前面や天板がメッシュで音を遮る機能がない以上、これは当然のことだろう。
ビデオカードに予算を注ぎ込みたい
PCゲーマーにオススメ
標準ファンのみだと冷却性能はややもの足りないが、組みやすさを高める各種ギミックはこの価格としてはかなり充実しており、買い得感がある。冷却性能は前述したとおりだが、各所にファンを追加すれば問題はない。そのためのファンマウンターも多数搭載している。
シャーシの鉄板は薄く、スチール製のPCケースとしてはかなり軽い。AntecやCorsairのPCケースのように「押しても引いてもビクともしない」というたぐいの堅牢性を期待すると肩透かしにあう。ただ、だからと言って3.5インチHDDを組み込んでも振動音がシャーシに伝わることはなかった。その分移動や組み換え作業時の負担が軽くなるため、このへんは考え方しだいだろう。
ゲームPCを作りたいが、ビデオカードに予算を注ぎ込みたいため、節約できるところは節約したい。しかし組み込み作業の難易度が高いPCケースはイヤだ、というよくばりなユーザーにお勧めしたい。また動作音を気にしないのであれば、ギミックが充実し低価格の本機は、組み込みに慣れていない自作PC初心者にも向いている。