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T教授の「戦略的衝動買い」 第278回

驚愕の時間表示法! DAYTONA似の「DIGITONA」を衝動買い

2014年01月22日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

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ロレックス「DAYTONA」風だけど
ちょっと安っぽい「DIGITONA」

 売り場では、本体のカラーが数色以上あったが、“お遊び系ウォッチ”として筆者が最終的に選んだのはかなり派手なイエローカラーだ。

 パッと見は3針式アナログ腕時計のように見えるが、実際は、文字盤も、長短の針も、ブレスもすべてイエローのシリコンラバー上に線や文字だけで描かれた夜店の玩具風腕時計である。

腕時計に少し興味のある人なら、パッと見てROLEX DAYTONAデザインのパチモノだとすぐに気づくだろう

腕時計に少し興味のある人なら、パッと見てROLEX DAYTONAデザインのパチモノだとすぐに気づくだろう

実際のDAYTONA(左)と並べると一目瞭然。ブレスが金属のモデルだともっとそっくりだろう

実際のDAYTONA(左)と並べると一目瞭然。ブレスが金属のモデルだともっとそっくりだろう

 オマージュなのかパクリなのかは定かではないが、デザインのベースウォッチとなったのは、まぎれもないロレックスのベストセラークロノグラフ腕時計「DAYTONA」(デイトナ)だ。

文字盤以外の長針も、短針も、クロノ針もすべて印刷でまったくピクリともしない

文字盤以外の長針も、短針も、クロノ針もすべて印刷でまったくピクリともしない

デザインコンセプトは、一部の女性の間でも人気商品であるBANANEの「バーキンプリントバッグ」と同じだ

デザインコンセプトは、一部の女性の間でも人気商品であるBANANEの「バーキンプリントバッグ」と同じだ

 文字盤にはプラスティック製の風防も付いており、単に描かれた針だが、あたかも動きそうな雰囲気だ。この手のパクリ的オマージュは腕時計の世界では初めての試みかも知れないが、女性用バッグの世界では「バーキン・プリントバッグ」で、国内外を一世風靡した「BANANE TAIPEI」の二番煎じだ。

DIGITONAの基本コンセプトは、筆者が2010年11月に本連載で紹介したイタリアンな腕時計「OPS!Flat」にも似ている

DIGITONAの基本コンセプトは、筆者が2010年11月に本連載で紹介したイタリアンな腕時計「OPS!Flat」(写真)にも似ている

 DIGITONAは、本体デザインをロレックスからのオマージュ、商品企画メソッドをBANANEから拝借し、異なる産業製品にアプライした21世紀的ハイブリッドビジネスモデルだ。

 あるいは、有名なジェームズ・W・ヤングの言葉である「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」という名台詞を踏襲しただけなのかもしれない。

背面のDIGITONAログの上にある「MMtime」マークはどことなく某ハンバーガ会社とそっくりだ(^_^;)

背面のDIGITONAログの上にある「MMtime」マークはどことなく某ハンバーガ会社とそっくりだ(^_^;)

子供銀行のお札ともかぶるが……子供用の玩具のロレックスウオッチにも見えなくもない

子供銀行のお札ともかぶるが……子供用の玩具のロレックスウオッチにも見えなくもない

 背面に位置する腕時計の裏ブタにはDIGITONAの発売元である「MMtime」のロゴマークが刻印されているが、これもどことなく世界最大のハンバーガー会社に見えてしまうのは筆者の錯覚かもしれない。

MMtimeのロゴをあしらった尾錠はスムースで使いやすい

MMtimeのロゴをあしらった尾錠はスムースで使いやすい

革や金属と異なり、シリコンラバー製のベルトは軽く、腕にフィットする。ホコリだけが天敵だ

革や金属と異なり、シリコンラバー製のベルトは軽く、腕にフィットする。ホコリだけが天敵だ

 シリコンラバー製の本体一体型のベルトは極めてソフトでフレキシブル、腕に装着した感じも極めて快適だ。そして、このなんちゃってアナログ腕時計であるDIGITONAの最大のウリは、名前の通りの怪しげな現在時刻表示機構だ。

針とは関係なく表示される現在時刻

一番上のボタンを押せば現在時刻が表示される。DIGITONA唯一のオリジナル機能である赤いLED表示は、たっぷりのうんちくは語れないが、それなりのインパクトはありそうだ

一番上のボタンを押せば現在時刻が表示される。DIGITONA唯一のオリジナル機能である赤いLED表示は、たっぷりのうんちくは語れないが、それなりのインパクトはありそうだ

 腕時計のパンフレットの表紙のモデル腕時計のように、24時間365日、いつも10時8分を指し示すアナログのなんちゃって印刷針とはまったく関係なく、現在時刻を知りたい時は、右側に3つ並んだボタンの一番上を軽く押せばいい。

 薄いシリコンラバー製の文字盤を透過して赤いLED表示のデジタル表示時刻がくっきりと浮かび上がってくる。現在時刻が表示されている間に、再度同じボタンをもう一度押せば、今度は月日表示となる。

 時刻やカレンダーの調整、24/12時間表示の切替は、一番下のボタンを押すことで設定モードとなる。

意外と少ない身の回りのイエロー系の小物……本物のDAYTONAなしにパチ満載のDIGITONAだけだと多少悲しい感じもあるが、組み合わせる周辺機器で、メシの会では話題になる可能性も高いだろう

意外と少ない身の回りのイエロー系の小物……本物のDAYTONAなしにパチ満載のDIGITONAだけだと多少悲しい感じもあるが、組み合わせる周辺機器で、メシの会では話題になる可能性も高いだろう

 すでに過去に登場したさまざまな商品を見る限り、DIGITONAにはユニークな新しい発想は少ない。造形の外観上多少の精密感はあっても、夜店で買った玩具腕時計のような“なんちゃってDAYTONA”イメージは抜け切れない。

 大人センスの品のいいジョーク感を醸し出せるかどうかは、オーナー個人の力量によるところが大きいだろう。極めて軽薄感の漂う腕時計だが、考えようによっては極めて重い腕時計なのだ。

■関連サイト

T教授

今回の衝動買い

アイテム:MMtime「DIGITONA」(イエロー)

価格:AGITOにて1万3650円で購入


T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
 T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。

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