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大震災時にはデジタルサイネージとスマホが連動

NTT、デジタルサイネージとWi-Fiを利用した新災害時情報システムを開発

2013年11月01日 16時00分更新

文● 行正和義

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デジタルサイネージを活用した災害時情報システム実証実験は、東日本大震災で実際に人々が滞留・殺到した新宿駅西口の大型公共デジタルサイネージで行われる

 NTTは11月1日、街角の電子看板(デジタルサイネージ)とWi-Fiを活用し、災害時に必要な情報をすばやく各個人のスマホに配信するシステムを開発、11月1日から12日まで実証実験を行う。

 災害時には、通信の輻輳などによって一般回線が通じなくなり、駅などの公共デジタルサイネージが災害情報や避難場所、交通情報といった必要な情報入手手段となる。公共デジタルサイネージにはこれらの情報提供システムがすでに導入されているが、この情報を見るためにサイネージ前に人が殺到、滞留しやすいのが問題となっていた。

 NTTの開発した「HTML5コンテンツ収集・スクラップ技術」は、特別のアプリをインストールすることなく、公共デジタルサイネージに併設した無線アクセスポイントに接続すれば個人のスマホに必要な災害情報をダウンロード。デジタルサイネージの前に人が滞留する時間を減らすことが可能となる。

デジタルサイネージ併設のWi-Fiに繋ぐだけで各自のスマホにコンテンツが自動同期表示される

 新技術のひとつ「コンテンツ自動同期機能」は、サイネージに表示されている内容をWi-Fi接続したスマホに表示するもの。Wi-Fi接続距離であれば閲覧できるのでサイネージ前に人が殺到することが避けられる。

表示されたコンテンツのうち必要な部分を指で囲めばその情報がスマホに自動保存される

 もうひとつの「囲み操作ユーザーインターフェース」は、サイネージから提供されスマホに表示されている情報をタッチで囲むだけで情報がスマホに保存されるというもの。災害地や避難場所といった情報をメモするためにサイネージ前に人が留まる時間を減らすことが期待されている。

 実証実験では、新宿駅西口の大型公共デジタルサイネージにてNTTが募集した被験者(合計約100名)を対象に、災害情報や交通情報を提供する。実証実験では新しい囲み操作による情報のスクラップのほか、サイネージの情報をスマホのカメラで撮影するといった従来の災害対応行動との比較も行われる。

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