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日本でのKindleの1年は「順調」 「Kindle連載」も開始

2013年10月25日 22時20分更新

文● ASCII.jp編集部

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 Amazon.co.jpは日本国内でのKindleサービス開始からちょうど1年となる25日に、メディア向けの発表会を開催。Kindleの1年を総括するとともに、新サービス「Kindle連載」を発表した。

この1年での紙版に対するKindle版の販売比率は
他国を上回っている

Kindleコンテンツ事業部 事業部長 友田雄介氏

 Kindleサービスの1年については、あらためてその好調ぶりをアピールした。たとえば、アメリカのAmazon.comでは、すでに紙の本をKindleが大きく上回っているが、これはあくまで2007年スタートで6年の時間をかけた結果とする。日本と同じく英語圏ではなく、Kindleスタートから3年が経過したドイツと比べても売上比率の伸びは上回っているとした。

 日本語書籍の品ぞろえも、1年前と比較して3倍。特にコミックは3.5倍まで達しているが、重視するのはあくまで中身。オリコンやAmazon.co.jpのランキングに入っている人気書籍においても、Kindle対応作品の割合が大幅に伸びている。

 またランキングだけでなく、まだKindle版がリリースされていない書籍のページを開いた際に表示される、「Kindle化リクエスト」の数値も重視している。その事例として挙げられたのが、中公文庫から販売されている「失敗の本質」という文庫本だ。

 「失敗の本質」は第二次大戦時の旧日本軍の問題点を組織面などから分析した書籍で、現代の企業やビジネスマンにも通じる内容として、1984年の刊行以来ロングセラーとなっている。Kindle化リクエストでは50位以内に上昇することもあり、今回は出版社との協力により、紙の底本から電子化を実施した。

官僚主義や無責任体質など現代にも通じる日本的組織の問題点を指摘していることで、現在でもロングセラーを続ける「失敗の本質」がKindle化された

 また、現在出版社との協力で進めているのが、紙と電子書籍の同時発売だ。これを提案した際に出版社から投げかけられるのが、「同時発売すると紙の売上が落ちるのではないか?」「電子書籍で予約を受け付けて意味があるのか?」という質問だとする。

 これに対しては、講談社の「グラゼニ」というコミックスの事例で説明された。Kindle版が1ヵ月強遅れた8巻に対し、紙とKindle版が同時発売された9巻では紙の売上は落ちずに、Kindle版の分が上積み。諸事情でKindle版の発売が8日遅れた10巻では、発売日にKindle版の予約を受け付けることで、Kindle版の機会損失が防げたと分析し、出版社に対して、できれば同時発売、それができないのであれば、せめて同時に予約を受け付けましょうとアドバイスしているとのことだ。

発表会会場には先日発表されたばかりの「Kindle Fire HDX」のデモ機も

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