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痛車でラリー! メロンからプラムへ~新たなる挑戦! 第4回

福島と北海道を諏訪姫ランサーが駆け抜ける!

2013年08月12日 22時36分更新

文● 中村信博 ●撮影/うえのふみお、光辻公明、片桐直人

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勝負権を失った諏訪姫ランサー
デイ2に果敢にタイムアタックをするも……

 翌日、デイ2。諏訪姫ランサーは勝負権を失ってしまったけれど、せめて2日目のSSで好タイムを刻もうとアタックを開始する。SS9、10と6番時計を重ねたものの、続くSS11「AZALEA」では、ベストタイムのLUCKインプレッサに続くこと0.9秒差のセカンドベストを記録。昨日の走りそのままの激しいアタックだ。

 しかし、クルーにとっては簡単な戦いではなかったらしい。途中で路面の岩にでもヒットしたのか、インタークーラーに繋がる配管がひしゃげてしまい、ターボのブーストがまったく上がらないトラブルに遭遇していたのだ。残るSSは、わずか3本。そのまま最後まで走ってもらう以外に方法は無かった。

最終サービスに帰還した諏訪姫ランサーは、パワーが上がらない症状を抱えていた。メカニックが全力で修復を行なうが、時間内には間に合わず。そのまま送り出すことになってしまった……

 パワーをも失われた諏訪姫ランサーは、それでも残る3本のSSを果敢に攻め続ける。SS12「LAVENDER LONG 2」ではトップから19.5秒差の5番手。SS13「SETANARIA 2」では7番手に沈むものの、最終SS「AZALEA 2」では2.7秒差の4番時計をゲット。それは乏しいパワーを振り絞り、持てるテクニックの限界まで攻め続けた2人のクルーが成し遂げた、奇跡のようなアタックだった。

セレモニアルフィニッシュを前に、戦いを終えた諏訪姫ランサーをチーム総出で洗い清める。結果的にデイ1撤退という結果になったけれど、速さの片鱗だけは見せることができた

 こうして、諏訪姫ランサーの挑戦は終わった。4年ぶりとなった最高峰JN-4クラスへの参戦は、5位、5位、そしてリタイヤという結果で終了した。次戦からはマシンとドライバーを交代して、全日本ラリー選手権のターマックイベント3戦へ出場する予定となっている。

 ところが、マシンのメンテナンスを担当するシロキヤレーシングサービス(SRS)から、気になる報告がもたらされた。それはシーズン後半に投入予定のインテグラRの状態が、きわめて悪いという凶報だったのだ。

 2010年から3年間にわたって、チームが全日本ラリー選手権で走らせてきたDC2インテグラR。これまでずっと激走を続けてきたインテグラは、その代償として想定を遥かに超えるダメージを受けていたのだ。SRSによると、もう一度かつての戦闘力を復活させるには、各部を徹底的にメンテナンスするべきだという。そのためには長い長い時間が必要で、予定していた7、8月のイベントへの参戦も難しくなってしまう。チームの今年度の参戦計画を大きく見直すことが決定された。

  1. グラベルイベント3戦のみだった諏訪姫ランサーの参戦予定を変更し、ターマックイベントであるRd.6「丹後半島ラリー」への参戦も追加。
  2. 諏訪姫ランサーの整備・テストの時間を確保するため、Rd.5「モントレー」への参戦を中止する。
  3. 引き続きインテグラのチェックを行ないつつ、とりあえずはインテグラの参戦予定をRd.8「MCSCハイランドマスターズ」、Rd.9「新城ラリー」の計2戦に変更する。

 すべては、インテグラRと全日本チャンプ眞貝知志選手に最高のパフォーマンスで戦ってもらい、クラス優勝をゲットしてもらうため。新しい参戦計画のもとで再始動したPLUM RACINGだが、まずは追加参戦が決定した8月の「丹後半島ラリー」を無事に走りきらなければ!

 諏訪姫ランサーと桑田選手にとって、ターマックイベントへの参戦はこれがまったくの初めて。ちょうど3年前、わがチームに抜擢されてから初めてダートイベントに挑戦した眞貝選手とは真逆といえるだろう。数あるターマックイベントの中でも、舗装の状況が猫の目のように変わる丹後半島で、はたして諏訪姫ランサーは無事に最後まで走りきることが出来るのか? ぜひとも会場で応援して欲しい!

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