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多数のクラウドサービスを融合、一元的な利用基盤としてサービス

アクセンチュア、クラウドブローカーサービスを提供開始

2013年07月22日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 アクセンチュアは7月19日、企業のクラウドコンピューティング活用を支援するサービス「アクセンチュア クラウド プラットフォーム(ACP)」の提供を開始した。他社が提供する多数のパブリッククラウド、および企業自身のオンプレミスシステム/プライベートクラウドを仲介/連携し、一元的な利用/管理ができるようにする。

 アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部 IT戦略・インフラグループ統括 マネジング・ディレクターの立花良範氏は同日の記者説明会で、ACPは 1)パブリッククラウドのアグリゲーター/ブローカー、2)ハイブリッドクラウド環境実現のためのブローカー、3)同社のベストプラクティスに基づくSaaS型のビジネスサービス、という3つの機能で構成されると説明した。

アクセンチュア クラウド プラットフォーム(ACP)の全体像

 続いてこれら3つの機能について、同社テクノロジーコンサルティング本部 クラウドビジネスアーキテクト シニア・プリンシパルの長部亨氏が説明した。

 パブリッククラウドのアグリゲーター/ブローカー機能では、他のクラウドベンダーが提供するIaaS、PaaS、SaaSごとの差異を吸収し、一元的に利用/運用管理できるプラットフォームを提供する。これにより企業は一元的な運用管理と統治が可能になり、契約窓口も一本化される。企業内ユーザーは、ワンストップのセルフサービスポータルから各サービスを透過的に利用できるようになる。

 なお、提供開始時点で公表されている提携サービスはNTTアメリカのIaaSのみだが、「ほかの有名なパブリッククラウドサービスも順次載せていく。ロードマップでは、今年度中に5~10社が統合されるものと聞いている」(長部氏)と述べた。

ACPの機能の1つ、パブリッククラウドのアグリゲーター/ブローカー機能

 ハイブリッドクラウド環境実現のためのブローカー機能については、パブリッククラウドとオンプレミス/プライベートクラウド間でのリアルタイムのデータ連携、認証連携(シングルサインオン)、さらにこれまでのノウハウを生かしたパブリッククラウドへのレガシーマイグレーションなどのサービスを提供するとした。

ACPはハイブリッドクラウド環境実現にも寄与する

 加えて、開発/テスト基盤サービスや、ビッグデータ基盤、レコメンデーションなどの付加価値サービスを基に、各業種で求められるビジネスプロセスリエンジニアリング/アウトソーシング(BPR/BPO)をバンドルしたビジネスサービスを提供し、エンドトゥエンドでのプロセス効率化に貢献するとしている。「アクセンチュアの人材も含めて提供する、“Business Process as a Service”だと思っていただければ」(長部氏)。

 長部氏は、顧客ビジネス視点でのACPのメリットとして、ビジネスアジリティの向上、TCO削減といった現行業務の改善に加えて、「新ビジネスの創出」があると指摘した。「今までリーチできてこなかった顧客にサービスを提供するといった取り組みを、ACPやコンサルティングを通じてサポートしていく」(同氏)。

 なおアクセンチュアでは、ワールドワイドでクラウドに関するトレーニングを受けた専門スタッフ数が6,700名を超えており、今後2015年までにスタッフトレーニングやクラウド技術、サービスの拡充に4億ドル超の投資を行う予定としている。

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