45%どころじゃない!? ストレージがえらく速くなった
今回のMacBook Airは、CPUにインテルの第4世代Core iシリーズ「Haswell」(ハスウェル、ハズウェル)を搭載したのが目立っている。CPUの世代が変わったと聞くと処理性能がガクっと上がったイメージを持つかもしれないが、週アスPLUSの検証などでも分かるように処理能力自体はそこまで変わっていない。Haswell自体はどちらかというと省電力の向上がウリで、このおかげで11インチモデルでは最大9時間、13インチでは12時間のバッテリー駆動が可能だ。
そのCPU以上に筆者が気になっていたのが、深夜に見ていた基調講演でさらっと「Up to 45% faster」と紹介していたストレージ性能について。元々、MacBook Airは高速フラッシュストレージを内蔵している。だから「そこから45%って、いくらなんでも盛り過ぎじゃないの?」と疑っていたのだ。
実際、どんなものなのか。買ってすぐにストレージ性能を計る「Blackmagic Disk Speed Test」を走らせてみたところ、書き込みでは713MB/秒、読み出しでは730MB/秒という驚異的なスコアが表示された。
筆者がメインマシンとして使っている「15インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル」は、先代MacBook Airと発売タイミングが同じで、ストレージ性能も似た傾向にある。それでも400MB/秒前後。十分高速な部類に入るはずだが、実に1.75倍の結果をたたき出したわけだ。
なぜこんなに速いのか。アップルは製品ページでは「より速いフラッシュストレージ」とあまりにざっくりな解説だが、もちろん高速なフラッシュストレージを利用しているのに加え、接続方法もPCI Expressベース(「M.2」、もしくは「NGFF」を採用しているようだ)になったため、これまで一般的だったSATA 3.0規格の制限に縛られないことも大きそうだ。
M.2(NGFF)は聞き慣れないが、これから注目が集まる用語だろう。現在のノートパソコンの内蔵ストレージは、速度が6GbpsのSATA 3.0(mSATA)で接続していることが多い。
しかし、フラッシュストレージは半導体の進化に合わせて毎年、読み書きの速度がぐんぐん上がってきており、このSATA 3.0ではそのうち限界が来そう……、というかもう来ている。そこでPCI Expressにフラッシュストレージを接続する動きが進んでいる。その中で、UltrabookやタブレットPC用に提案されているのがM.2(NGFF)というわけだ。
実際にどれくらいの差が出るのか、1GBの単一ファイルと6539個ファイルを1GB分含むフォルダーの複製を試してみたところ、確かにMacBook Pro RetinaディスプレイモデルよりMacBook Airのほうが高速な結果が出た。ディスクの読み書きが速ければ、単純にiPhotoから写真をデスクトップにコピーするような操作だけでなく、キャッシュを使うウェブブラウザーのようなソフトの速度向上も期待できそうだ。