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広まるほど収益化できないスカイプのジレンマ

2013年06月04日 07時00分更新

文● 澁野 義一/アスキークラウド

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LINEに代表されるチャットアプリの台頭で、以前に比べ影が薄くなってしまったSkype。マイクロソフトの次世代ゲーム機「Xbox One」への搭載やメッセージングツールの「Lync」との統合など、ここに来て関連ニュースが相次いでいる。Skypeの目指す方向を、マイクロソフトのスカイプ事業本部長、田中晃氏に聞いた。

 Skype社がマイクロソフトに買収されたのは2011年。

 日本でのスカイプ事業を取り仕切る田中晃氏は、「ここ1年半くらいは、マイクロソフトとSkype社の組織統合に時間をかけました。今回のXbox Oneへの搭載を皮切りに、これからいろいろなところでシナジーを出していきます」と意気込む。

 今後はスカイプが、マイクロソフト製品におけるコミュニケーションツールの「顔」になっていくという。

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日本マイクロソフトのスカイプディビジョン スカイプ事業本部長の田中晃氏。日本でのスカイプの展開を舵取りしている

 もともとSkype社は、ルクセンブルクに拠点を置くベンチャー企業だ。スカイプがインストールされている端末同士なら、無料で通話やチャットできる手軽さが評判を呼び、ビデオ会議のツールとしてビジネスでも利用されてきた。

 スカイプの全世界での月間アクティブユーザー数は3億人。この数字は、LINEの登録ユーザー数の約2倍にあたる(2013年3月時点)。歴史が長いぶん、強固な支持層を獲得している。

 一方で、収益化に課題を抱えていたのも事実だ。「スカイプから携帯電話や固定電話へ発信する場合は料金が発生しますが、スカイプ同士なら無料です。逆に言えば、スカイプが普及すればするほど、売り上げが立たなくなる仕組みなのです」(田中氏)。

 田中氏の前職はGoogleで、デジタル広告プラットフォーム「DoubleClick」の日本統括責任者だった。

 スカイプにおける広告事業については言及を避けたが、「スカイプはマネタイズできていないのが現状。何らかのかたちで収益化し、スカイプ事業に還元していきたい」(田中氏)という。

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