これからのTwitterは
Web上のデータを“1ツイート”という情報単位で統合していく
これからTwitterはどのような発展を遂げるのだろうか。
基本路線はシンプルに「モバイルを中核に展開」だが、取材中、特にプラットフォームの話題で「インテグレート」という言葉をWickre氏が多用していたのが印象的だった。
Twitterは昨年、Webやモバイルのツイート表示画面を進化させた。ツイートを他のサイトにボタン1つで埋め込めるようになり、誰かの発言の共通フォーマットとして流通させようとしている。これは外部サイトへのツイートのインテグレートを指しているものだ。
またこれまで文字だけで表示していたツイートに、返信を表示したり、リンク先の写真やウェブページのサムネイル画像を表示する「Twitter Card」を導入するなど、1ツイートそのものが情報単位として流通していく環境を整備した。すなわち、ツイートに外部のコンテンツをインテグレートするという流れだ。
Twitter Cardは、Webページに記述を持たせることで、個人のブログも対応できるオープンな仕組みになっている。このようにしてツイートのリッチコンテンツ化を進める一方、自分のWebサイトにコンテンツを見に来てほしいInstagramなどのサービスは、Cardへの対応をやめており、議論が残っている部分でもある。
ちょうどInstagramがCardへの対応をやめるタイミングで、TwitterのモバイルアプリにInstagramライクなフィルタによる写真加工の機能が搭載された。ユーザーからすると、ライバルを意識しているような印象を受けるが、Wickre氏は「人々がTwitterで写真を共有しているから」という理由を説明する。
確かにTwitterは、「@ユーザー名」の返信、ハッシュタグなどの機能はユーザーが考え、自然に使われるようになったためにシステムに導入したという経緯があり、ユーザーの使い方によって進化させていくという1つの成長の手法を維持しているように見える。
それだけに、Twitterの発展は「次にユーザーが何をしたいか」に委ねられているといえるだろう。
ビデオ共有や、時差がある米国でライブを楽しむときのタイムシフト、ニコニコ動画や生放送のようなライブ画面へのインテグレートなど、アイデアには事欠かない。日本のユーザーの動向にも注目しているという。特にモバイルに強い日本の私たちがどんな使い方をしていくかによって、次のTwitterの姿が決まるかもしれない。