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Appleとの訴訟でMotorola/Googleに独禁法違反との初期判定

2013年05月07日 21時00分更新

文● 末岡洋子

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 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会(EC)は5月6日、ドイツでAppleに対し特許訴訟を起こしているMotorola Mobilityに対し、独占禁止法に違反しているとの初期判断を下したと発表した。ECはMotorolaに対し、正式な独禁法訴訟の最初のステップとなる異議告知書(Statement of Objections)を送付、正式に違反が認められた場合、Motorolaの売り上げの最大10%の罰金が科される可能性がある。

 EUのMotorolaへの調査は、2012年2月にAppleが提出した苦情を受けて同年4月に開始した。Motorolaは、EUおよび米国でAppleと激しい特許訴訟を繰り広げており、無線通信に関する自社特許侵害を主張している。無線通信技術の標準化団体は参加企業に対し、FRAND(Fair(公正な)、Reasonable(合理的、妥当な)、And Non-Discriminatory(非差別的))条項でライセンスすることに合意を求めており、これらの特許は標準必須特許(SEP;Standard-Essential Patents)と呼ばれる。

 Appleとの係争でMotorolaが主張しているGPRS関連の特許はETSI(欧州電気通信標準化機構)標準で、ECによるとMotorolaは当該特許が欧州で採用された際、FRAND条項でライセンスすることにコミットしていたという。

 だがドイツでMotorolaはApple製品に対して差し止めを求め、主張が認められた後に、AppleがFRAND条項でのライセンス合意の意図を表明しているにも関わらず、Motorolaは差止令の実効を求めたという。調査の結果、このような行為はEUの独占禁止法である競争法に違反するとの初期判定に至ったと説明している。

 ECの競争政策担当委員、Joaquin Alumnia氏は、特許など知的所有権の保護と競争の保護は同等に大切だとしながら、「企業は、自社が提供する製品のメリットでのイノベーションと競争に時間を費やすべきであって、競合を邪魔してイノベーションと消費者の選択肢に損害を加えるために自社の知的所有権を誤用すべきではない」とコメントしている。

 異議告知書を受け取った後、Motorolaは2ヵ月の間に回答を行なう。その後ECは正式な判定を下すことになる。もし競争法違反が正式に認められた場合、Motorolaの世界ベースでの年間売り上げの最大10%の罰金が科される可能性がある。

 Motorolaに対してはMicrosoftも同時期にECに苦情を提出している。問題の特許は無線通信ではなく、動画エンコードのH.264関連のFRAND特許。Motorolaはその後の2012年5月にGoogleにより買収された。

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