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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 ― 第60回

GoogleのMotorola戦略をチェック――買収の目的は果たせる?

2012年09月05日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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 125億ドルとGoogleにとって最大の買い物となったMotorola Mobility。買収発表時の目的は「Androidを特許訴訟から保護する」というものだったが、先のSamsung対Appleの訴訟では「模倣」というAppleの主張が全面的に認められた形となった。

 今回の勝利を受けてAppleが他のAndroidベンダーへの攻撃を強めるのではと見る向きもいる。一方、Motorolaは今週にもアメリカでプレスイベントを開く予定で、最新端末発表が予想されている。今回はGoogle傘下となったMotorolaの現状をチェックしたい。

Googleのコントロール下に入ったMotorola
まずはリストラと携帯以外の事業売却を進める

 GoogleがMotorola買収を発表したのは2011年8月のこと。当時のGoogleは、Nortel Networksの特許獲得に破れたばかりであり、買収計画を発表したGoogleのCEO、Larry Page氏はブログで「MicrosoftとAppleなどの企業からの反競争的な脅威からAndroidを保護することで、競争を強化できる」などと記し、Android保護を前面に出していた。

 5月の買収完了後、Googleが行ったことを整理してみよう。まずはCEOの入れ替え。Sanjay Jha氏に代わって、Googleで広告事業などを担当してきたDennis Woodsied氏が就任した。Woodside氏の下で独立した事業としてスタートしたMotorolaは8月初め、約4000人という大規模な人員削減策を打ち出して話題となった。

 4000という人数は同社の約2割にあたるもので、約90の製造施設のうち3分の1にあたる30の施設を閉鎖することも明らかにした。主な目的は製品ポートフォリオの整理で、フィーチャーフォンを整理し、収益の高いハイエンド端末への集中を図る。

 最近になってBloombergなどのメジャーな経済誌が報じているのが、STB(セットトップボックス)を含むホーム向け事業の売却だ。買収完了前からGoogleがMotorolaをどうするのかの憶測で、STB事業の切り離しは想定されるオプションの1つに持ち上がっていた。

 このところの報道によると、GoogleはBarclaysに依頼するなど、同事業部の売却に向けた動きに入ったと報じられている。もし事実であれば、Motorolaのホーム事業を活用したTVなどのリビングルーム(お茶の間)戦略強化という可能性はなくなりそうだ。なお、売上で見るとホーム事業はMotorolaの売り上げの約3分の1も占めている。

現状の業績はかなり厳しいMotorola

 一方、業績面では赤字が続いている。買収後の7月にGoogleが発表した内容ではMotorolaの売上高は12億5000万ドルで、2億3300億ドルもの損益を計上している。

 次に、明確に目的としてうたっている訴訟面での効果はどうか? 8月末にApple対Samsungを審理していたカリフォルニア北部連邦地区裁判所が発表した歴史的とも言える評決で、陪審員はAppleの主張を認めてAndroidの主力ベンダーであるSamsungにクロ判定を下した。

 ここでの争点は、Androidは主にフロント画面などデザインが関連した特許4件、ピンチしてズームなど実用特許3件を含む7件の特許侵害を主張し、Samsungは3G関連の通信技術など基本技術2件を含む5件の特許侵害を主張した。

 これを受け翌週の取引で、Samsungの株価はもちろん、Googleの株価もわずかに下がった。Android端末メーカーの最大手が敗訴となったことを受け、Googleはすぐさまに声明文を発表、「コアのAndroidへの影響はほとんどない」と動揺をなだめた格好だ。

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