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米連邦地裁、Motorola/Google vs MSの特許裁判でMS勝訴

2013年09月06日 22時30分更新

文● 末岡洋子

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 MicrosoftがMotorola(Google)の要求する特許ライセンス料金が高いとして、同社を相手取って特許訴訟を起こしていた件で9月4日、シアトルにあるワシントン州西地区裁判所の陪審員はMicrosoftの主張を認め、Motorolaに1450万ドルの損害賠償金支払いを命じた。

 焦点は標準必須特許(SEP)。特許専門家は「Googleは買収の前、そして買収の後にも(FRAND条項で特許をライセンスするという)約束を破る企業を買収した」と述べている。

 この訴訟は、Google買収前の2010年にMicrosoftがMotorolaを提訴したことにさかのぼる。Microsoftはそこで、MotorolaがXboxとWindowsで利用する無線通信技術のIEEE802.11(Wi-Fi)と動画圧縮技術のH.264(ITU標準)について、FRAND(Fair“公正な”, Reasonable“合理的、妥当な”, And Non-Discriminatory”非差別的”)条項でライセンスしていないとして苦情を提出していた。

 MotorolaはMicrosoftに特許ライセンス料として年間40億ドル(!)を求めていたが、4月に同裁判所の判事は180万ドルが妥当とする判断を下している。今回の陪審員の判断はこれに沿うものとなった。Microsoftは損害賠償金として、訴訟費用600万ドルを含む合計2900万ドルを要求していたが、陪審は1450万ドルとした。

 All Things Dが入手した資料(http://allthingsd.com/20130905/microsoft-trounces-google-in-battle-over-standard-essential-patents/)によると、IEEE802.11のIEEE、H.264のITUの両標準化団体に対して、MotorolaがFRANDでライセンスするとコミットしていたという点で誠意や公正である義務に反したと思うかとの問いに対し、陪審員は8対0で賛成している。

 ハイテク分野の特許に詳しいFlorian Mueller氏はこの判決について、「MotorolaはGoogleが完全子会社化しているが、違法行為は買収後も続いている」「Googleは買収の前、そして買収の後にも(FRAND条項で特許をライセンスするという)約束を破る企業を取得したことが既成事実となった」とブログに記している。

 Microsoftは2012年に欧州委員会(EC)に提出した苦情で、MotorolaがH.264でMicrosoftに求めるロイヤリティをノートPC1台あたり22.5〜45ドルであり、他社の1000倍以上と主張していた。

 この判決に対し、Motorola側は上訴する意向を示しているという。

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