auひかりの新規契約者の半数以上がauスマートバリューを導入、
だが、田中社長が好業績の理由としてあげたのが、auスマートバリューであった。
auスマートバリューは、ブロードバンドサービス(auひかりなど)とauスマートフォンなどの同時加入によって、最大2年間に渡り、月額1480円を割り引くというものだ。
たとえば、自宅のインターネットで、auひかりを利用し、家族4人がauスマートフォンを利用した場合、auスマートフォンの利用代金から毎月1480円ずつの割り引きが、家族4台のスマートフォンに対して適用され、1ヵ月あたり5920円(1480円×4台)もの割引が受けられる。2年間で14万2080円も得する計算になる。
同社の2012年度業績発表によると、auスマートバリューは、モバイル(au)契約数が期初予想の310万契約を大幅に上回り、386万契約に到達。固定(固定BB)契約数も期初計画の155万契約を上回る212万契約を達成した。
田中社長は、「スマートフォンの新規契約者の39%がauスマートバリューを契約し、auひかり新規契約の55%がauスマートバリューを契約している。世帯あたりの契約数は、期初の1.5から、3月末には1.82に広がっている」と、成果を明らかにし、「auスマートバリューが、業績を牽引している」と胸を張る。
KDDIの強みは、モバイルと固定ブロードバンドの両方を提供できる点だ。それを実現するのがauスマートバリューということになる。
「今後のARPUおよび顧客基盤を最大化するために、モバイルと固定を持つ強みを生かしていく」と田中社長は前置きしながらも、「現時点、モバイルと固定ブロードバンドが重なっているユーザーは212万世帯に留まっている。これを、まだまだ伸ばしていける」と自信をみせる。
auスマートフォンを利用しているユーザーに、固定BB回線を提案する余地がまだ多く、それは逆に「auひかり」や、中部テレコミュニケーションが提供する「アクセスコミュファ」を利用しているユーザーに対して、auスマートフォンを提案する余地が大きいことを指す。
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