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動画に強い多機能コンパクトの「実力」を検証

究極の旅カメラを探して「PowerShot SX280 HS」に行き着いた

2013年04月26日 16時00分更新

文● 小林 久、写真●小林 伸、篠原孝志(パシャ)

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高感度撮影が強化され、圧倒的な2000mm相当の超望遠撮影もできる

 さて動画が売りの「PowerShot SX280 HS」だが、カメラとしての機能ももちろん充実している。基本的な機能と特徴について紹介しよう。

多機能をコンパクトなボディーにまとめたPowerShot SX280 HS

 まず撮像素子は、高感度撮影に強い、裏面照射型CMOSセンサーを採用。サイズは1/2.3型で有効画素数は1210万。キヤノンでは、高感度な裏面照射型CMOSとDIGICの組み合わせで低ノイズ化を図る仕組みを“HS SYSTEM”と呼んでいるが、最新のDIGIC 6の搭載でその完成度がさらに高まった。

PowerShot SX280 HSで撮影したISO 6400相当の画像

 感度は最高でISO 6400相当に対応。高感度撮影時に画像処理でノイズを減らそうとすると、ディティールが落ちてしまい、ドロドロと輪郭のハッキリしない写真になってしまうのが一般的。しかし、ISO 3200相当で比較した場合、DIGIC 5搭載の従来機種と比べて最大30%も細部コントラストが向上しているという。

広い25mm相当の画角から、ぐっと近寄れる500mm相当の超望遠まで。様々な大きさで被写体を記録できる

 レンズは広角25mm相当からの光学20倍ズーム。レンズだけでも500mm相当の撮影が可能だ。中央部分だけを切り抜くプログレッシブファインズームを併用すればLサイズ:約1200万画素で写真を記録した場合でも、画質の劣化なく40倍=1000mm相当の超望遠撮影が可能だ。なお、補間処理で多少画質が劣化するが、この先にもデジタルズームが用意されており、なんと80倍=2000mm相当での撮影が可能となっている。

 ちなみにプログレッシブファインズームは記録画素数によって拡大率が異なるので、M2:約200万画素程度の記録でいいのなら、80倍まで劣化なしに撮影できる。

 ズームは静止画はもちろん動画撮影中にも利用可能。大きな建築物や自然を広く収めたいという用途から、人物撮影などのスナップ、そして遠く離れた場所にいる野鳥や建物の小さなロゴマークまで、あらゆるものを1台が取れてしまうという魅力は大きい。

 レスポンスのよさも特徴。広角端での撮影タイムラグは0.15秒と従来機の0.35秒から約57%も短縮されている。これは動画でも効果的。パンなどで急にアングルを変えた際にも、短時間ですばやく目的にピントを合わせられる。

 連写性能もフル画素で撮影した場合でも、毎秒14コマ(1回のレリーズで7枚まで記録可能)と高速なので、サッカーのゴールシーンなどスポーツや動きの激しいペットの撮影などでも魅力的な瞬間を逃さない。

動画撮影機能は楽しめる多彩な機能が満載だ

 動画撮影の強さはPowerShot SX280 HSの特徴だが、これは単に高画質なムービーが撮れるというだけではない。個性的な撮影モードと合わせて動画を存分に楽しむ仕掛けも用意されている。

プラスムービーオートで撮影するためのアイコンがモードダイヤルに用意されている

 そのひとつプラスムービーオートは、旅の記録を残すのに便利な機能だ。簡単に言うと静止画と一緒に動画を記録してくれるモード。モードダイヤルに専用のアイコンが用意されており、ここに合わせてシャッターを押す。

 動画はシャッターを切る直前の4秒を動画(1280×720ドット/毎秒30コマ)として押さえてくれる。つまり過去にさかのぼった動画の記録ができるのだ。撮影前のちょっとしたコミュニケーションが残るほか、決定的瞬間を見た後に余裕を持ってシャッターを切っても安心ということになる。ペットや運動会の撮影などでも活躍しそうだ。

 さらにプラスムービーオートで撮影したシーンは自動的に1本のムービーにまとめられる。運動会であれば1日の名シーンが詰まった1本の動画が、旅行であれば街歩きを楽しみながら撮影したスナップの前後の雰囲気が凝縮されたムービーが完成。後から楽しく振り返れるという仕組みだ。

 ムービーをWi-Fi経由でPCやスマホに送信する際には自動的に1/10のサイズになるため、配布も容易だ。

 ハイスピード動画は気軽にスローモーション撮影が撮れるモード。毎秒240コマまたは120コマで高速撮影した動画を1/6の速度(毎秒30コマ)で再生。動きのある被写体をゆっくりと見られる。記録時間は最大30秒で、動画サイズは320×240ドット(240コマ)、640×480ドット(120コマ)。

 ジオラマ風撮影はアートフィルターとハイスピード撮影を組み合わせた楽しめる動画モード。小さなおもちゃを上からのぞきこんだように、ピントが合っている部分がごく一部となり、それ以外を大きくぼかす。色彩もおもちゃのように強調され、その中を人やものがめまぐるしく動く、楽しい動画が撮れるというものだ。

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