社団法人IPTVフォーラムは、次世代テレビにおいて、放送と通信を連携できるサービスを可能とする「放送通信連携システム仕様(ver.1.0)」「HTML5 ブラウザ仕様(ver.1.0)」「事業者間メタデータ運用規定(ver.1.0)」の3つの技術仕様を公開した。
- 放送通信連携システム仕様(ver.1.0)
- テレビ受信機において、テレビ放送と通信ネットワーク上のサービスを連携させるシステムを実現する方式を規定したもの。システム全体のモデルやアプリケーションの動作・種別、受信機機能などが含まれる
- HTML5 ブラウザ仕様(ver.1.0)
- HTML5対応ウェブブラウザーをテレビ受信機のブラウザーとして適用し、放送通信連携の要件に基づいてHTML5における放送動画の取り扱い方法やAPIに拡張などについて記述したもの。放送に連動したサービスをスマートフォンやタブレットなどで行なうためのAPIなどが含まれる
- 事業者間メタデータ運用規定(ver.1.0)
- 放送事業者などのコンテンツ提供事業者とVODなどを提供する映像配信サービス事業者の間で、番組コンテンツを円滑に利用できるようにするため、番組関連情報を規定したもの。
技術仕様の名称は「ハイブリッドキャスト」
これらの技術仕様に対応することにより、テレビやスマートフォン、タブレットなどの端末でテレビ放送とウェブが連携したアプリケーションが利用できるようになるという。この技術の実用化までの時期について、技術委員会主査である関 祥行氏によると「今年末ぐらいにはアプリケーションが登場するのを期待している」とのことだ。
IPTVフォーラムでは、これらの技術を活用した機器が一般に認知されることを期待し、技術名称「ハイブリッドキャスト(Hybridcast)」と定めた。なお、ハイブリッドキャストは技術仕様の名称であり、放送サービスなどの名称は別途決められるそうだ。
旅番組で旅行先の情報が閲覧できたり
クイズ番組で出演者と一緒にクイズに挑戦できる
簡単に説明すると、これらの技術が実用化すると、例えば旅番組などで旅先の付近情報をテレビに表示できたり、クイズ番組などではクイズをスマートフォンやタブレットに表示して出演者と一緒に挑戦できるようになる。
登壇した総務省 大臣官房審議官の南 俊行氏から、「HTML5という国際標準に準拠した新しいスマートテレビの仕様が取りまとめられました。総務省では立ち上げ、大臣の指示の元にこの新しい放送サービスを成長戦略の柱に据えている」とコメント。1日も早く実用化していただきたいと期待感を語った。