新技術を搭載するテレビは、近年のCESで常に主役であり続けていた。大画面化や映像処理エンジンによる高画質化、3D対応といったムーブメントが次々と登場して、今後のテレビをリードしていく技術や製品が披露されてきた。
開幕前より、今年のCESでのテレビは「スマートテレビ」が話題の中心になるだろうと予想されていた。では実際にCESで注目を集めたテレビはなんだったのかを振り返ってみよう。
スマートテレビの出展は多いが
主役というほどの勢いには欠ける?
CESの主役となると言われたスマートテレビだが、実際に主役をはるほどの注目を集めていたかと言うと、そこまでの勢いがあるようには、記者には見えなかった。スマートテレビの定義を大雑把に言えば、「インターネット接続機能を持ち、テレビ視聴だけでなくビデオ配信サービスや多彩なアプリケーションを利用できるテレビ・セットトップボックス(STB)」というところだろうか。これらの機能を備えたテレビやSTBは確かに多数出展されていたが、実のところこれらは2012年になって急に登場してきたわけではなく、2011年のCESでも出展されていたという事情もある。
CES開幕前には、グーグルのスマートテレビプラットフォーム「Google TV」の最新版を採用したテレビやSTBが多数出展されるのかと期待していたのだが、期待に反してGoogle TV対応機器の出展は多くなかった。ソニーやシャープ、パナソニックに東芝、サムスンやLG電子といった大手テレビメーカーのうち、Google TV対応機器を出展していたのは、2011年から引き続いてのソニーとLG電子程度。中国のハイアールがGoogle TV搭載テレビを出展していたり、半導体メーカーのMarvellのブースに超小型のSTBが展示されてはいたものの、「どこを見回してもGoogle TVだらけ」という状況にはなかった。
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