iPhone 5で歩き撮りはつらい!?
続いては、手持ち撮影で頼りになる手ブレ補正機能だ。これもHDビデオカメラでは各社とも力を注いでいる部分で、iPhone 5に対する大きなアドバンテージでもある。
iPhone 5にも電子式の手ブレ補正が搭載されている。世代を重ねるごとにCPUの能力が向上していることもあり、電子式手ブレ補正の精度も高まってはいるが、本体が軽く小さいほど手ブレの影響は出やすい。iPhone 5やスマホのカメラは、手ブレについてはかなり不利な条件と言える。
今回は街中で歩道橋を登っていく様子と、近所の江戸川の土手を歩いた様子を撮影して判定した。カメラの保持は実用状況に近い片手持ちとしている。
iPhone 5の手持ち撮影動画
iPhone 5は軽く小さいためにあまり気にならないとはいえ、指先だけのホールドになってしまい、強固にグリップしようとするならば、両手持ちなどを考える必要がある。
撮影した映像も、歩道橋の階段での上下動がやや目立った映像になってしまう。ガクガクとした急峻な動きは抑えられているが、歩いていることがわかるゆっくりとした上下動は出てしまう。
江戸川の土手は斜面部分を歩いていることもあり、手首や腕のぐらつきが出やすいようだ。足元が不安定なこともあり、上下動だけでなく、左右に揺れるような動きもわずかだが出ている。
やっぱり空間手ブレ補正搭載のソニー勢が圧勝!!
手ブレ補正で圧倒的な実力を見せつけたのはやはりソニー。「空間手ブレ補正」の威力はかなり強力で、安定した映像を撮影することができた。その威力はもちろんハイエンドのPJ790Vに軍配が上がるのだが、これは映像の精細感や見通しの良さなどトータル性能による映像の見やすさの影響も大きいと思う。
ソニー CX430Vの手持ち撮影動画
手ブレ補正そのものの実力という点では、CX430Vも大きな差は感じられず、安定感には差がないと言ってもいい。
例えば足下が舗装された歩道橋では、階段の上りでの上下動がかなり抑えられており、わずかな速い動きを除いて実にスムーズ。
足下がおぼつかない江戸川の土手の斜面では、多少上下動が出やすいものの、安定感は高い。左右の揺れる動きはほとんどない。
昨年の初登場時でもその安定した映像には驚かされたが、それが実売で8万円ほどのスタンダードクラスでも恩恵が得られるようになったことは、より多くのユーザーにとっての福音だと言える。
キャノンやJVCケンウッドも手ブレ補正は進化してきているのだが、さすがにソニーのようなキャスター付きの三脚でも使って移動しているかのような安定感は望めない。目立つほどではないがゆっくりとした上下動の影響は感じてしまう。
iPhone 5については、両手でがっちりとホールドして撮影するように気を使うことで、手ブレをある程度抑えることができる。しかし、歩き撮りをしたい場合はやはりビデオカメラを使うのがベストな選択だろう。
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