このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

人気の新書の筆者に迫る

『ビジネス寓話50選』 100年前の物語「寓話」がなぜ今?

2012年12月30日 01時18分更新

文● アスキー新書編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

短い寓話からたくさんのビジネスのヒントを学べると好評のビジネス寓話50選(アスキー新書)。その著者、博報堂ブランドデザインの宮澤正憲さん、山田聰さん、ボヴェ啓吾さんの三人に「なぜ今寓話なのか?」というお話を伺った。

『ビジネス寓話50選』を執筆した博報堂ブランドデザインの3人。左から、宮澤正憲さん、ボヴェ啓吾さん、山田聰さん

ブランドと寓話の接点とは?

――そもそものお話ですが「博報堂ブランドデザイン」とはどのようなことをやっているのでしょうか?

博報堂ブランドデザイン 宮澤正憲さん

宮澤 簡単にいえば、ブランドに関する何でも屋で、企業や地方自治体、教育機関などのブランドにまつわるコンサルテーションをやっています。  ブランドというものをキチンと説明すると長くなるのですが、我々はブランドを一言で説明するときに「らしさ」と言っています。その企業とか、その商品、その組織の「らしさ」をどうやって作ったらいいかを考えています。

 「らしさ」を作るには、企業の組織を変えることもあれば、企業の風土や商品を変えることもある、ウェブサイトも広告も変える場合がある。このように「らしさ」の構成要素は非常に多様なので、我々のメンバー構成も、経営コンサルタントやマーケッター、リサーチャー、デザイナー、コピーライター、一級建築士や人事の専門家などといった様々な属性を持つメンバーがそろったチームです。

――ブランドの仕事と寓話にどういった関連が?

宮澤 我々は講演やワークショップの場で話すことも多いのですが、そういうときに寓話を例に出すことがあります。こういった寓話は古い話であっても、今の先端のビジネスにすごくフィットしていることがあって、ビジネスの普遍的な知恵があるに違いないと気づいたんです。そこで「とにかく寓話を集めてみよう」という話が出たのが発端です。

 また、我々はマーケティングやブランディング、経営に関する書籍を作ったこともあるのですが、ビジネス書はターゲットが絞られていて、特定の方にはアプローチできるが幅広い人に届けるのが難しい、と常々考えていました。そこで世の中一般の人や忙しいけど本を読みたい経営者などに、新書という形でビジネスの本質などを伝える本を作りたいと思っていたのも本書の企画に結びつきました。

博報堂ブランドデザイン 山田聰さん

――寓話はどのように集められたのですか?

山田 講演やワークショップの現場で使った話を総ざらいしたのがまず一つ。また、うちのチームには多様な人がいるので、まず部内でヒアリングして集めました。そこで建築業界では有名な話や、マーケッティングの世界で有名な話など、様々な業界で語られている寓話が集まりました。また、改めてイソップ寓話や故事成語などを読み漁って集めました。

 第一段階で100個くらいまで絞り込み、壁に張り出して、どんな寓話が面白いかみんなで議論して、最終的に全体の構成なども考えて50個に絞り込んだのが、この本です。

■Amazon.co.jpで購入
■Amazon.co.jpで購入

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ