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角川グループ作品を「Google図書館プロジェクト」の対象外に

2012年12月13日 19時20分更新

文● ASCII.jp編集部

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 角川グループホールディングスは、グループ傘下の出版社から発行された書籍を「Google図書館プロジェクト」の対象外とし、検索結果に表示させないことでグーグルと合意。その作業を開始したと発表した。

「Google図書館プロジェクト」では世界の図書館と連携して、デジタル化を進めていた

 Google図書館プロジェクトでは、グーグルが提携した図書館(日本では慶應義塾図書館が参加している)の蔵書をデジタル化し、Googleブックスに登録。著作権が失効している場合や、出版社・著者の許可がある場合は全体表示や限定プレビュー、それ以外の場合でも「スニペット表示」と呼ばれる書籍の抜粋や文章の一部を表示するサービスを提供している。

 発表にあたり、角川グループ内で電子書籍配信事業を推進している、株式会社ブックウォーカーの代表取締役社長 髙野 潔氏、同常務取締役 安本洋一氏が説明を行なった。

株式会社ブックウォーカー 代表取締役社長 髙野 潔氏

 今回の合意に至る過程として髙野氏は、角川グループとグーグルとの間では長年にわたって、日本の出版文化や出版ビジネスについて、真摯な話し合いがあったと語る。文化の壁はあるが、一方で理解が深まった結果でもあり、日本の出版業界が得た成果として、業界全体に広まっていけばいいのではないかとする。さらにグーグルの検索技術を活用した電子書籍の海賊版対策についても協議しているとのことだ。

 Google図書館プロジェクトにおける書籍のスキャンについては、国内外の出版社・著作者から強い反発を受けており、特に国内ではグーグルがコンテンツビジネスを進める上で大きな障害となっていた。これまでも著作者による個々の申請によって、検索結果から外すケースはあったが、比較的大規模な出版社単位で対象外となったのは、「報道で知りうる範囲ではこれまではなかったのではないか」(安本氏)とする。

 実際に検索結果から外す作業はグーグル側が行なう。角川グループで現在流通している出版物については約3万点、絶版になっているものを含めると10万点以上あるとのことで、角川グループ側はISBNコードのデータベースをグーグルに提供する。

 なお、角川グループは、グーグルが今年9月にスタートした電子書籍サービス「Google Play ブックス」にもコンテンツを提供している。


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