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インテル、HPC向けコプロセッサ「Xeon Phi 5110P」を発表

2012年11月13日 15時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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「Xeon Phiコプロセッサー 5110P」のサンプル

 インテルは13日、HPC分野向けのコプロセッサーカード「Xeon Phiコプロセッサー 5110P」「Xeon Phiコプロセッサー 3100」を発表した(関連記事)。

 Xeon Phiシリーズは、「Intel MICアーキテクチャー」と呼ばれるメニイコアプロセッサー技術による最初の製品で、コード名「Knights Corner」と呼ばれていたもの。「Pentium」をベースにした超小型x86 CPUコアを、5110Pの場合60個も集積したメニイコアプロセッサーとなっている。

カード後端には6ピンと8ピンのPCI Express電源コネクターが並ぶ

4枚の5110Pを装着したシステムの例。1台のサーバーに最大8枚まで装着可能という

 細かい仕様が公表された5110Pの場合、60コア/240スレッドで動作周波数1.053GHz。カード上に8GBのGDDR5メモリーを搭載し、メモリー帯域は320GB/秒。TDPは225W。ピーク演算性能は1.011GFLOPSにも達するという。ベースとなるシステムとの接続インターフェースは、PCI Express x16を使用する。

Xeon Phiと通常のXeonのみのシステムとの性能比較例。XeonベースのHPCシステムにXeon Phiを組み合わせることで、大幅な性能向上が可能になるとしている

 現在のHPC分野では、GPUを汎用演算に使う「GPGPU」を使ったアクセラレーターを使うシステムが非常に多い。しかしGPGPUシステムでは、システムを制御するプロセッサー(ほとんどの場合x86 CPU)と、GPUではまったく異なるアーキテクチャーのプロセッサーを使うため、異なるプロセッサー向けにそれぞれのプログラムを用意しなくてはならないという手間がある。インテルではXeon Phiの利点について、インテルが提供する開発ツール(Intel Parallel Studio XE 2013、Intel Cluster Studio XE 2013など)を使い、1つのプログラミングモデルで開発できるのが強みであるとしている。

Xeon Phiと開発ツール。既存ツールのXeon Phi対応に加えて、新しく「Intel Cluster Studio XE 2013」も登場した

 Xeon Phiのカードはインテルからシステムメーカーに出荷される。単体の価格は、5110Pが2650ドル程度、3100シリーズが2000ドル以下と想定されている。

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