撮像素子は小さいが感度は良好
撮像素子はシリーズ名にも含まれている1型(対角線で1インチ)のセンサーを使用する「CXフォーマット」だ。35mm版に換算すると約2.7倍の焦点距離に換算されるため、標準ズームの10-30mmでは約27-81mmに相当する。
画素数は有効1425万画素でV1の1015万画素から大幅にアップした。画像処理エンジンは「EXPEED 3A」を搭載、感度設定は最大でISO 6400まで可能になっている。
感度別撮影サンプル
感度をチェックしてみると、ISO 800からノイズが出始めてはいるものの、最高感度のISO 6400でもそれほど目立たない。暗部では偽色も若干出てはいるが気にならないレベルだ。さすがにISO 6400ではディテールの再現性が若干損なわれてしまってはいるが、実用性の高い画像を記録できる。
撮像素子面でコントラスト検出方式と位相差検出方式の両方式を採用するAFは従来通り。AFのスピードはミラーレス一眼の中ではトップレベルの速さで、一眼レフのカメラにも決して劣らない。連写スピードは最大で秒間60コマ、AFを追従させた場合でも秒間15コマの連写が行なえる。
内蔵されているEVFは0.47型約144万ドット、スペック上は「V1」と同じだ。背面液晶とEVFの切り替えは自動で、顔をEVFに近づけると自動的に背面液晶がオフになり、EVFに切り替わるが、切替時の反応がワンテンポ遅れ気味だった。
レンズキットも玄人向け?
本体色はブラック以外にホワイトも選択可能。販売構成はボディー単体のほかに標準ズームの「1 NIKKOR VR 10-30mm/F3.5-5.6」が付属する「標準ズームキット」と、50mm相当の単焦点レンズ「1 NIKKOR 18.5mm/f1.8」と「1 NIKKOR VR 10-30mm/F3.5-5.6」が付属する「ダブルレンズキット」、光学3倍の標準ズーム「1 NIKKOR VR 10-30mm/F3.5-5.6」と光学10倍の高倍率標準ズーム「1 NIKKOR VR 10-100mm/F4.5-5.6 PD-ZOOM」の2本が付属する「ハイパーダブルズームキット」がラインナップされる。
V1では広角のパンケーキレンズ「1 NIKKOR 10mm/F2.8」が付属するレンズキットが用意されていたが、V2ではラインナップから外れている。また望遠ズームの「1 NIKKOR VR 30-110mm/F3.8-5.6」が含まれるキットもないので購入時には注意だ。
パンケーキ付属のキットがない点からも、V2はほかのNikon 1シリーズの持つお手軽さより、さらに写真をしっかりと楽しむ用途向けになっているように感じる。
本体にも撮影モードダイヤルが備わり、マニュアルや絞り/シャッタースピード優先オート、プログラムオートを個別に選ぶことができるようになっている。
従来モデルのJ1やJ2、V1ではそれらのマニュアル的な撮影モードは静止画モードに統一されていて、ダイヤルを静止画モードにセットした後にメニューから各モードを選ぶ必要があった。しかし、V2では各モードを個別に選択できるようになり、積極的に撮影モードを選びたい場合に便利だ。
また、アナログ的な操作のできるコマンドダイヤルを装備し、絞りやシャッタースピード、さまざまな設定のパラメータ変更をダイヤルで回転させて設定が行なえるなど、一般的なマニュアル志向のデジカメの構成になっている。