テスト2 ファイル4種類によるライトテスト
次のテストでは、NASにファイルを書き込むのに要した時間を計測している。ファイルシステムによるオーバーヘッドを考えると、小ファイルと大ファイルではトータルのファイルサイズが同じでも、小ファイルの方がコピー時間が長くかかる。そこで、4種類のファイルを用意して計測してみた。ファイルのトータルサイズは5~7GBの範囲に収めてある。
テスト2に使用したファイル | |
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Small | デジカメ写真とMP3レコーダーの録音など2293ファイル、約5.4GB分。デジカメ写真は2~5MB、MP3は100MB程度のファイルサイズ |
Mid | 1本約30分のフルHD H.264動画ファイルを5本、約6.1GB分 |
Large | Windows 8のインストール用ISOファイル、32/64bit版の2ファイルで約6.2GB分 |
Big | テスト機のThinkPadのバックアップイメージファイル、1ファイルで約6.8GB |
これらをドライブ文字でアクセス可能にしたNASに3回書込みを行ない、コピーにかかる時間をtimeコマンドで取得※1し、3回の平均時間から計算された実効転送速度(MB/秒)をグラフにしている。
※1 開始~終了時間をファイルに書き出し、経過時間を計算した。
USB HDDよりも遅かったのは、NAS BOXのSmallだけで、あとはどのサイズでもUSB HDDより速い。NAS同士の速度差では、TS-219P IIが最も高速で、LS-V2.0TLJがそれに続く。冒頭で説明したように、LS-V2.0TLJは添付の高速化ツールを使用していないため、これを入れれば小ファイルのコピー速度はさらに向上するだろう。
なお、LS-V2.0TLJのBigサイズファイルのコピーだけ、Mid・Largeサイズよりも転送速度が遅くなった。しかし3回の計測にさしたるバラツキがなく上に、他のNASの速度と比較してもこの条件で遅くなる理由はなく、原因がよくわからない。
テスト3 ファイル4種類によるリードテスト
最後に、テスト2でNASに書き込んだデータを読み出しコピーに要した時間から、実効転送速度を計測している。コマンドプロンプトで「NUL」デバイスに書き込んでいるので、パソコン側のHDDによるオーバーヘッドはない。
リードに関しては明瞭で、全機種ともにUSB HDDより高速という結果になった。一般的なNASの利用シーンを考えると、ファイル共有ができてパソコン1台にしかつながらないUSB HDDよりも速いため、NASの魅力がわかるだろう。
NASの機種による速度差も、ほかのテストと同じくTS-219P IIが最速でLS-V2.0TLJが続くという結果になっている。NAS自体のハードウェア性能の差と言ってよいだろう。
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