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買う or 作る 最新NAS事情特集 第1回

最新NASは「買う」と「作る」のどっちが高機能でお得?

2012年10月01日 12時00分更新

文● 小林哲雄

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Gigabit Ethernetからスマートフォンまで
接続相手の広がる今時のNAS事情

 自宅にあるさまざまな機器から、ファイルを共有するために便利なのが「NAS」(Network Attached Storage)。ネットワークの先にある記憶デバイスという意味で、ASCII.jp読者ならすでに利用している人も少なくないだろう。

 NASは汎用性が高い一方で、「価格が高くてやや転送速度が遅い」というイメージもある。しかし、今や家庭LANも有線ならばGigabit Ethernetが当たり前。無線LANもIEEE 802.11nや、今後普及するであろうIEEE 802.11acによって高速化されている。NAS内部で使用されるプロセッサーも、高速なものを搭載する製品が増えてきた。それらもあって、「USB2.0接続のHDDよりも高速」というキャッチフレーズの製品が増えている。USB接続のHDDは、基本的につないだ機器だけしか使えないが、NASならば家庭内ネットワークにつながる多くの機器から共用で利用できるほか、設定次第で家の外からも利用可能だ。

 またNASは、USBホスト機能やメモリーカードスロットのないスマートフォンやタブレット(iPhoneやNexus 7など)でも、アプリを利用して追加ストレージ代わりに使うことも可能だ。製品によっては「DLNAサーバー機能」や「DTCP-IP」をサポートすることで、著作権保護情報付のデジタルテレビ放送をNASに録画して、パソコンやテレビで見るということもできる。

 NAS特集の1回目では、メーカー製の完成品と自分でHDDを組み込むキット製品にわけて、最新NASの傾向と商品紹介をお届けしよう。

完成品かキットか?
NAS製品の傾向の違い

 NASを買おうと思った場合、大きく分けて2つの製品ジャンルがある。すでにHDDが内蔵されていて、コンセントを刺して初期設定をすればすぐに使える「メーカー完成品」。HDDが含まれておらず、別途それを購入(あるいは手持ちのHDDを流用)して取り付ける手間が必要な「キット」の2種類だ。

 メーカー完成品はその名のごとく、完成しているものなのでユーザーの敷居が低い。また機能も豊富だ。例えば、DRMのある映像コンテンツをLANを通じて録画したり、テレビやディスプレーで見るためにはDTCP-IPの機能が必須だが、これは認証が必要なのでメーカー製でなければ実現できない。また、AndroidやiOS端末から簡単に接続できるようなツールも提供されている。

 一方で、保存できる容量に対して価格は割高であるし、ストレージの交換はメーカー保証が切れてしまう。作り方によってはHDD内のファームウェアをコピーする等のハードルもある。USBポートを持つ製品が多いので、これを利用してHDDを増設できる。また、USBポートにはHDDだけでなく、プリンターなどの周辺機器を取り付けて共有できる製品もある。

 キット製品はおおむねその逆で、HDDを用意して取り付けなければ使えないし、機能もメーカー製ほど豊富とは言いにくい。そのかわり、大容量NASが欲しい場合は今なら安価になった3TB HDDを買ってくればいいし、とりあえず2TBで利用しておいて、後日より大容量のHDDに交換するといった柔軟性がある。HDDベイが複数ある製品もあるので、この場合は増設もできる。

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