このページの本文へ

2013年春のオフィス向けIT機器選び 第7回

性能や容量で限界を感じたら今こそリプレース

重要なデータ保管庫!最新デスクトップ型NAS 5選

2013年03月28日 11時00分更新

文● 渡邊利和

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

PCはもちろん、プリンタ/複合機、周辺機器、ネットワーク機器やNAS、モバイル通信などスモールビジネスに最適なオフィス機器やサービスを提案する特集。第5弾は、データの保管庫として定着したNASを取り上げる

 スモールビジネスにおいて、重要なデータ保管庫となるのがNAS(Network Attached Storage)だ。データ保護に役立つRAIDをサポートしつつ、手軽に使えるファイルサーバー専用機として生まれたNAS。最近はiSCSIやNFSなどを介して、仮想サーバーの共有ストレージとして利用できる高機能な製品も現われている。また、大容量化や高性能化も進んでいるほか、Linuxだけではなく、Windowsを搭載する製品も着実に増えつつある。

 ここでは4~6台程度のディスクを搭載可能なスモールビジネス向けのデスクトップ型NASを紹介していく。(掲載順序は社名順)

RAID6に対応!
データの安全性を高めた4ベイNASドライブ

アイ・オー・データ機器「LAN DISK XR」
希望小売価格:9万5600円(2TB)/17万円(8TB)/25万円(12TB)


 RAID6対応やレプリケーション機能の搭載など、データ損失リスクの軽減を図ったハイエンドモデル。処理性能も大幅に強化したことから、推奨最大同時接続台数も従来機種の2倍の32台に増加している。

 多彩なRAID構成をサポートする点が特徴。RAID5では、1台のHDDが故障を起こしてリビルドを実行する際には冗長性が失われているため、このタイミングでもう1台のHDDが障害を起こすと全データが失われるリスクがあるが、RAID6はリビルド中にさらに障害が発生しても復旧が可能。また、RAID5では4台のHDDで構成する通常の構成の他に、3台でRAID5を構成し、1台をホットスペアとして残しておくRAID5+S構成も選択できる。この場合、実効容量は2/3になるが、障害発生時にもHDDの交換の手間がなく自動的に普及が開始される。特に重要なデータの保存には、RAID 1m+Sが利用可能。HDD×3台のミラーリングでデータを三重化し、さらに1台をホットスペアに残す構成になる。

仮想サーバの共有ストレージとして認証済み
中小企業向けの6ベイNAS

QNAP「TS-669L」
参考価格:11万円(税込)


 VMware vSphereやCitrix XenServer、Microsoft Hyper-Vといった仮想化プラットフォームに対応した中小企業向けNAS。ライブマイグレーションに対応した共有ストレージとしても利用可能なTS-669Lは6ベイモデルで、SATA HDDまたはSSDに対応する前面アクセスのホットスワップベイを6基備える。

 iSCSIのほか、SMB/CIFS、NFS、AFPの各ファイル共有プロトコルをサポートしており、Windows、Linux/UNIX、Macitoshのクロスプラットフォームでファイル共有が可能。統合ウィルス対策機能でウィルス、マルウェア、ワーム、トロイの木馬の検出もできる。ISOイメージのマウント機能も実装される。データのバックアップには、QNAP NAS間でのリアルタイムレプリケーションや、USB 3.0接続の外部ドライブへのバックアップ、amazon S3などのクラウドストレージへのデータ送信など、さまざまな手法に対応する。Ethernet I/F×2を装備し、フェイルオーバー/ロードバランス(IEEE 802.3ad対応スイッチとの組み合わせで)/マルチIP設定、の3種類の運用が可能。

■製品情報

「Beyond RAID」による柔軟な拡張性で
最大容量20TBを実現

drobo「Drobo 5N」
オープン価格(参考価格:7万3500円)


 同社が“Beyond RAID”と呼ぶ柔軟なデータ保護方式により、稼働中でもHDDの増設や交換が可能で、データ容量が必要になったら何も考えずにベアドライブを追加するだけ、という簡単な運用ができる小規模オフィス向けNAS。データ保護レベルはRAID6相当で、2台のHDD障害に対応できる。ユーザー側はRAID構成について心配する必要はなく、ドライブが追加された場合など、必要に応じて自動的に再構成が行なわれる。

 フラッシュメモリを利用したアクセラレータ「mSATA」のための専用ベイが標準装備されたほか、全ドライブベイにSSDを搭載可能。“Data-Aware Tiering”(データ・アウェア・ティアリング)機能により、システムが自動的にHDDとSSDを使い分けて階層化ストレージを実現する。1000BASE-T Ethernet×1ポートを備え、LAN内にDHCPサーバがあればケーブルを接続するだけの設定不要ですぐに利用可能になる。また、万一の停電に備えて内蔵バッテリーを搭載しており、書き込み途中のデータを安全に保護できる。

■製品情報

高機能をより使いやすくした
最新デスクトップ型NAS

ネットギア「ReadyNAS Proシリーズ」
予想販売価格:ReadyNAS 300シリーズ(4TBモデル)25万円


 3月27日に発表されたばかりのReadyNASの最新モデルでは、ソフトウェアも筐体も一新。「ストレージを使って簡単に」というコンセプトのもと、ユーザーインターフェイスを刷新。セットアップが簡単になり、操作性も向上した。またプリインストールされたReadyDROP、ReadyDLNA、ReadyNAS Remoteといった機能と連携することにより、オフィスにあるReadyNASをクラウドストレージとして利用できる。SATA(最大4TB)とSSDドライブに対応し、eSATA拡張ポートを装備している。このeSATAポート経由で5ベイの拡張ユニットをオンラインで追加でき、動的に容量を拡大することも可能になっている。

 機能面でもNASやiSCSIストレージの機能はもちろん、無制限スナップショットやクラウド管理レプリケーション、リアルタイムアンチウィルスなどを標準で利用できる。4ベイディスク内蔵型、6ベイのベアボーンキットからなるReadyNAS 300シリーズと、最大250ユーザーを想定した6ベイのパフォーマンスモデルReady NAS 500シリーズが用意されている。

5年間自動更新ライセンス付きのウィルスチェック
セキュリティを向上させた法人向けNAS

バッファロー「テラステーション TS5000シリーズ」
希望小売価格:14万7000円(4TB)/22万5750円(8TB)/34万6500円(12TB)/66万1500円(32TB)


 バッファローの法人向けNASは、「小規模オフィス・SOHO向け」(50ユーザー)、「中規模オフィス向け」(50~100ユーザー)、「大規模オフィス向け」(300ユーザー以上)の3クラス、中規模と大規模ではLinuxベースとWindows Storage Serverの2種のプラットフォーム(小規模はLinuxのみ)の大きく5グループに分かれているが、TS5000シリーズは中規模向けLinuxベースの製品になる。

 5年間の自動更新ライセンス付きのウィルスチェック機能が搭載され、リアルタイムスキャンでデータを常に監視、ウィルス感染が発見されたら即時に隔離/駆除が行なわれる。HDDドライブは2TBまたは4TBを採用し、ドライブベイ数(2/4/6/8)に応じて容量が4TB、8TB、12TB、32TBの4種が用意される(32TBは4TBドライブ採用、4TB×8構成)。複数ボリュームを設定し、それぞれにNASまたはiSCSIでアクセスできる。Ethernetは1Gbpsまで対応。ディスクインターフェイスは3GbpsのSATA II 2.0を採用。

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ